2027年春のセンバツにつながる秋季地区大会が各地で行われ、関東は横浜(神奈川)、近畿は京都国際(京都)が頂点に立った。
関東大会では横浜が健大高崎(群馬)を10対6で破り、近畿大会は京都国際が明石商(兵庫)に4対2で勝利。両地区とも全国大会で実績を持つ学校が顔をそろえたが、試合結果を並べると勝ち上がりの特徴は大きく異なる。
果たしてどちらが激しい戦いだったのか。全試合の得点差、上位校の戦い方、センバツ選考への影響から、秋の関東と近畿を比較する。
1点差は関東6試合、近畿4試合 初戦から明暗を分けた接戦
関東大会には15校が参加し、計14試合が行われた。そのうち1点差で決着したのは6試合で、全体の42.9%を占める。

さらに1回戦に限れば7試合中4試合が1点差。山梨学院(山梨)が山村学園(埼玉)を2対1、慶應義塾(神奈川)が佐野日大(栃木)を2対1で下したほか、樹徳(群馬)は作新学院(栃木)を3対2、水城(茨城)は桐生第一(群馬)を2対1で退けた。
初戦から勝敗を分ける場面が続いたことは、関東大会の特徴の一つだ。とりわけ山村学園は県大会を勝ち上がって関東の舞台に立ちながら、わずか1点差で敗退。高校野球では一つの守備、一度の走塁判断が試合を左右するが、その厳しさが数字にも表れた。

一方、16校による近畿大会は15試合中4試合が1点差で、割合は26.7%。初戦の1点差は彦根総合(滋賀)が関西創価(大阪)を1対0で下した1試合にとどまり、大阪桐蔭(大阪)の9対0、明石商の13対0など、序盤は大差がつく試合も目立った。
しかし、準々決勝から様相が変わる。京都国際は智弁和歌山(和歌山)に延長10回、4対3でサヨナラ勝ち。報徳学園(兵庫)も八幡商(滋賀)に延長10回、6対5で勝利した。
関東が初戦から接戦を重ねたのに対し、近畿は8強が激突する段階で勝負の厳しさが一段と増した結果となった。
33得点の横浜、19得点の京都国際「対照的な王者の姿」
関東を制した横浜は、4試合で33得点10失点。初戦で西武台(埼玉)に12対2、準々決勝で樹徳に9対2と打線が力を示した。準決勝では帝京第三(山梨)に2対0と競り勝ち、決勝は健大高崎との打撃戦を10対6で制した。
注目したいのは、大量得点だけを武器にしているわけではない点だ。準決勝のように少ない得点で勝ち切る試合もあり、決勝では相手に詰め寄られても再び引き離した。
決勝の5回には脇山魁音が3点本塁打を放ち、試合の流れを引き寄せている。打線の厚みと試合展開に応じた戦い方は、全国大会でも大きな強みとなりそうだ。
これに対し、京都国際は4試合19得点8失点。初戦で東洋大姫路(兵庫)を7対3で破ると、準々決勝は智弁和歌山に4対3、準決勝は報徳学園に4対0、決勝は明石商に4対2。4試合を通じて、相手を大量得点で圧倒するよりも、必要な得点を奪って守り切る試合が際立った。
決勝は1回に先制した後、追いつかれながらも4回に勝ち越し。先発の1年生左腕・末永桜雅から2年生の越沼優悟へつなぎ、9回の追加点で勝利を手繰り寄せた。投手陣の安定が勝ち上がりを支えたことは、関東王者との分かりやすい違いだ。
ただし、得点数の差だけで両校の実力を比較することはできない。相手の特徴も試合展開も異なる。横浜の攻撃力と京都国際の投手力、それぞれの長所をどう評価するかが、来春の楽しみとなる。

大阪桐蔭、智弁和歌山が8強敗退。近畿の厚みと関東の競争
近畿大会で印象的だったのは、全国的な実績を持つ学校であっても簡単には勝ち上がれなかったことだ。
大阪桐蔭は明石商に5対8で敗れ、智弁和歌山も京都国際に延長10回の末、3対4で競り負けた。どちらも準々決勝で姿を消し、センバツ選考を待つ立場となった。
大阪桐蔭を破った明石商は、準決勝でも智弁学園(奈良)に5対4で勝利。近畿大会のベスト4には京都国際、明石商、報徳学園、智弁学園が並び、兵庫県勢が2校入った。
強豪校の名前だけでは勝敗を予測できない、新チームの競争力が浮かび上がった大会と言える。
関東では横浜と健大高崎が決勝に進み、慶應義塾、帝京第三がベスト4に名を連ねた。健大高崎は準決勝で慶應義塾との延長10回の接戦を5対4で制し、帝京第三は初戦で専大松戸(千葉)を13対5で破るなど、各校が持ち味を見せた。
次の春に向けて、上位校との差をどう縮めるのか。埼玉の高校野球を追ううえでも、考えさせられる結果となった。
センバツ選考はどうなる? 地区間の「強さ」の答えは?
2027年センバツの一般選考枠は、近畿が6校、関東・東京が合わせて6校。関東・東京は関東4校、東京1校を基本とし、残る1校を比較して選ぶ方式だ。
したがって関東大会ベスト4の4校は出場に向けて有力な位置にいるが、関東大会8強の各校には東京大会の結果も関わってくる。
近畿ではベスト4の京都国際、明石商、報徳学園、智弁学園が選考上優位な立場にあり、残る枠を巡って大阪桐蔭、智弁和歌山、彦根総合、八幡商らの比較が焦点となる。
ただし、地区大会の順位だけで出場が自動的に確定するわけではなく、最終判断は2027年1月29日の選考委員会に委ねられる。
そして11月には、両地区の王者が明治神宮大会に臨む。横浜が持ち前の得点力で全国の強豪を押し切るのか、京都国際が投手力を軸に接戦をものにするのか。
明治神宮大会にも注目していきたい。

