【2026秋季埼玉県大会展望】関東大会に進む2チームはどこだ。40校が挑む「春センバツ」への道【特集】

9月25日、2026年度秋季埼玉県高校野球大会が開幕する。

地区予選を勝ち抜いた40校が出場し、10月4日の決勝まで約10日間の短期決戦が行われ、その先には群馬県で開幕する秋季関東大会、そして2027年春のセンバツが待っている。

埼玉から関東大会へ進めるのは、決勝にたどり着いた2校だが、秋季県大会ベスト8に入れば来春の地区大会が免除され県大会からの出場となる。

今夏の埼玉を制した花咲徳栄と準優勝の浦和学院がAシード。4強に進んだ昌平、立教新座がBシードに入った。

2025年秋は花咲徳栄が3-2で浦和学院を破り、2026年春は浦和学院が11-7で花咲徳栄に勝利。そして夏は花咲徳栄が7-3で浦和学院を下し、2年ぶり9度目となる甲子園出場を決めた。

全チームの県大会の決勝カードは、3季続けて花咲徳栄と浦和学院だったが、近年は昌平、立教新座、山村学園、西武台などのチームが上位に勝ち進むパターンが増えており、勢力図が変わりつつある。

秋季大会は3年生が抜け、背番号が変わり、夏まで控えだった選手が主力となる。エースの後ろで登板機会を待っていた投手がマウンドの中心となり、下位を打っていた選手が中軸を任される、ポジションが変わることも珍しくない。

花咲徳栄、浦和学院の2強が再び決勝へ進むのか。昌平、立教新座がそこに割って入るのか。それともノーシードから新たな主役が現れるのか。

組み合わせを4つのブロックに分け、2026年秋の埼玉を展望する。

目次

【花咲徳栄ブロック】夏の王者「プロ注目黒川投手の後継者」をどう作るか

左上のブロックに入ったのは、Aシードの花咲徳栄。

初戦となる2回戦で入間向陽と対戦し、その先には不動岡―秀明英光、叡明―武南、越谷西―越ヶ谷などのカードが並んだ。

同ブロックには2025年夏に甲子園初出場を果たした叡明、今夏シード校だった秀明英光、県大会常連の西武文理が入り実力校が揃う。

夏の王者が新チームでもその強さを維持するのか。その答えが最初に問われるブロックとなる。

花咲徳栄を見る上で、この秋に最も大きな変化となるのが投手陣だろう。

今夏は黒川凌大選手がチームの中心にいた。準決勝の昌平戦を完投すると、決勝の浦和学院戦でも3失点完投。埼玉大会を制したチームにとって絶対的な存在だったが、花咲徳栄の古賀選手、石田選手を中心に昨秋より実戦経験を積み春にはセンバツのマウンドも経験している。また打線でも東村選手、高原選手、佐藤選手が残った。

今夏の甲子園メンバーに入った中でも新チームの柱として注目したいのが、左腕・古賀選手だ。

◾️注目選手 古賀 夏音樹(花咲徳栄)

1年秋から公式戦を経験し、昨秋はエース黒川選手に次ぐ6試合に登板。2026年センバツでも日本文理戦で甲子園のマウンドを経験した。さらに春季県大会では4試合に先発して22回を投げ、安定した投球を見せた。

第99回全国高等学校野球選手権大会で優勝した時(現:中日 清水氏-元:ENEOS 綱脇氏)のように、複数の投手で勝ち抜くチームが作れると全国を狙える。

【昌平ブロック】昌平:前チームからの打力は健在。「一発勝負」でどのチームが勢いに乗れるか。

左下を率いるのがBシード・昌平だ。

初戦は城西大川越。そこから東農大三―越谷南、蕨―伊奈学園、熊谷商―武蔵越生など、力のある学校が並ぶ。

また西武台や狭山ヶ丘も近年県内上位の力を示している。

昌平は夏準決勝まで進んだが、新チームでもチームカラーの攻撃力は大きな武器になりそうだ。

その打線の中心に座るのが、4番・小笠原選手だ。

◾️注目選手 小笠原 太一(昌平)

第108回全国高等学校野球選手権埼玉大会 準々決勝の山村学園戦では本塁打を放った。

昌平高校OBの現ロッテ 櫻井ユウヤ氏を豪快・強打者と例えるのであれば小笠原選手はしなやか、巧打者という言葉がマッチする。

昌平高校がこのブロックを勝ち抜く上で一つのポイントとして、小笠原選手の前にどれだけ走者を置いた場面を作れるかが鍵になる。

一方で、このブロックは公立勢も面白い。

伊奈学園、熊谷商はいずれも地区予選でシード校を破って県大会への切符をつかんだ。さらに越谷南は17年ぶりに県大会へ進出している。

昌平が押し切るのか。西武台や武蔵越生、東農大三といった実力のある私立、それとも、伊奈学園や熊谷商業の公立校が勝ち進むか。どの高校も勝ち進む可能性を秘めている面白いブロックとなった。

【浦和学院ブロック】「超攻撃」を支える投手力。左腕・佐々木選手を中心に波に乗れるか

右上のAシードは浦和学院。

初戦は坂戸。

このブロックには春日部共栄、聖望学園、川越東、山村学園、本庄第一、市立川越と、決して名前だけでは突破できない相手が並び、さらに朝霞西と所沢商は、ともに地区予選でシード校を破って県大会に進出してきた。

組み合わせだけを見れば、4ブロックの中でも層の厚いゾーンだ。

浦和学院は2026年春の県大会を制し、関東大会でも準優勝。夏も決勝まで勝ち上がったが、花咲徳栄に3-7で敗れた。新チームでは、前チームから公式戦を経験してきた法量選手が主将としてチームをまとめている。

法量選手、大宮選手、中川選手が浦和学院の掲げている”超攻撃野球”の中心となり、前チームから登板を重ねてきた左腕・佐々木選手が新チームを引っ張っていく。

浦和学院が4季連続で県大会決勝へ進むためには、打線の破壊力だけではなく、佐々木選手を中心とした投手陣がどれだけ試合を安定させられるかが重要になる。

◾️注目選手 佐々木 蓮也(浦和学院)

地区予選の川口戦では先発として無失点投球を見せ、浦和学院はコールドで県大会出場を決めた。最速144キロを記録する左腕で、すでに前チームから主力として経験を積んできた。

新チームでは星選手、島袋選手、下山選手ら右腕も控え佐々木選手が投手陣を引っ張っていく。

【立教新座ブロック】立教新座―上尾 初戦から大一番。実力校ひしめく激戦ブロック

右下のBシード・立教新座。

このブロックには正智深谷、埼玉栄、川口青陵、春日部工、川口工、大宮武蔵野、早大本庄、浦和実、上尾などが入った。

そして県大会序盤から屈指好カードとなった。

9月26日 2回戦 立教新座―上尾 @レジデンシャルスタジアム大宮

立教新座は2026年春、夏と連続して県4強に進んだ。

新チームでも右腕・前林選手、左腕・中川選手を含む複数の投手をそろえ、二塁手・穂坂選手を中心とした守備からロースコアに持ち込む形を目指す。打線では井上選手、南原選手が得点の鍵を握る。

対する上尾も昨秋県4強。春も昌平と接戦を演じ、夏はシード校として大会に入った。長く県上位をうかがってきたチームが、秋の初戦からBシードに挑む。

立教新座―上尾の勝者がそのままブロックを抜けるとは限らない。浦和実、埼玉栄、正智深谷なども控える。

実力校が揃っているこのブロックでは、いかに失策をしない、接戦に持ち込めるかが勝ち進むポイントとなる。

また、上尾高校は前チームから経験を積んでいる選手が複数残っている。

その中でも上尾高校の打線の中心となるのが菊池選手だ。粘り強く守備からリズムを作り攻撃に繋げていけるかが鍵となる。

◾️注目選手 菊池 龍希(上尾)

菊池選手は早い段階から中軸を任されてきた打者で、長打力を持つ。

前チームでは関谷とともに、強豪私学を追う上尾の攻撃の打線を支えてきた。

経験を積んだ選手が残り一戦必勝で勝ち進んでいく。

公立18校。悲願の甲子園出場を目指す

今県大会に出場する40校のうち、18校が公立校となった。

しかも越谷西、所沢商、朝霞西、川口青陵、川口工、伊奈学園、熊谷商の7校は、地区予選でシード校を破って県大会への切符をつかんでいる。

その要因の一つとして考えられるのが、夏の大会とは違い、秋は新チームが始動して間もないということだ。選手層の厚い私学であっても、新チームでのポジションが固まっていなかったり、投手の役割が定まっていなかったりする一方、上級生が少なかったチームでは夏からほとんどメンバーが変わらないケースもあり、その「経験値の差」が一時的に縮まりやすいのも秋の面白さと言える。

越谷南は17年ぶり、越谷西は18年ぶりの県大会出場を果たし、ほかにも熊谷商、伊奈学園、市立川越、上尾、所沢商、朝霞西など、それぞれ異なる歴史を持つ公立校が各ブロックに散った。

各ブロックに待ち受ける強豪私学を相手に、どこまで食らいつき、接戦をものにできるか。

一つの勝利が自信となり、その勢いが次の一勝へとつながっていく秋だからこそ、公立勢が大会の勢力図を大きく揺さぶる「公立旋風」が起こる可能性を感じさせる。

2027年春へ 埼玉から関東へ進めるのは2校

秋の県大会はベスト8に入れば来春の地区大会が免除され、決勝へ進んだ2校には群馬県で開催される秋季関東大会への切符が与えられる。その先に待っているのは、2027年春のセンバツだ。

3年生が抜け、新たな背番号を背負った選手たちにとって、この秋は自分たちの代になって初めて迎える大きな舞台となる。夏まで控えだった選手が主役となり、一つのプレーをきっかけにチームの勢力図が変わることもあるからこそ、過去の実績だけでは測れないのが秋季大会の面白さでもある。

花咲徳栄が夏の王者として再び頂点へ向かうのか、浦和学院が春以来の県制覇を果たすのか。それとも昌平、立教新座をはじめとした有力校や、勢いに乗る公立勢がその構図を崩し、新たな主役が生まれるのか。

40校が目指す先は同じでも、埼玉から関東大会へ進めるのは、決勝まで勝ち進んだ2校だ。

新たなチームで新たな選手たちが主役となる秋季大会は2027年春へと続く最初の分岐点だ。

激戦必至の2026年秋季埼玉県大会が9月25日に幕を開ける。

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