2026年秋季埼玉県大会はベスト4が出そろった。
準決勝へ駒を進めたのは、夏の王者・花咲徳栄、浦和実、西武台、山村学園の4校。
今夏準優勝の浦和学院、ベスト4の昌平が準々決勝で姿を消した。
準決勝は花咲徳栄VS西武台、浦和実VS山村学園。勝者2校には秋季関東大会への切符が与えられる。
夏の王者・花咲徳栄の強みは選手層の厚さ
ベスト4の中で頭ひとつ抜けているのが投打のバランスが取れている花咲徳栄だ。
2回戦で入間向陽を7―1、3回戦では西武文理を5―1で下し、準々決勝では昨夏の甲子園出場校・叡明に9―3。叡明に初回2点を先行されながら、3回に高原一樹のランニング2ラン本塁打などで逆転すると、その後も上位から下位まで切れ目のない打線で着実に加点した。
また守りの面では、西武文理戦では左腕・古賀選手が9回1失点で完投。準々決勝では石田投手が立ち上がりに制球を乱すも2回から立ち直り最後は長谷川選手へ繋ぎ、叡明打線を3点に抑えた。複数投手で勝ち上がれることは連戦となるトーナメントで勝ち上がっていく際に大きな強みになる。

一方、敗れた叡明も初回に王者から2点を先制。清水選手、山本選手、佐藤選手と3投手を投入し、最後まで食らいついた。

終わってみれば9―3での敗戦となったが、チームの課題が浮き彫りになった。秋季大会でベスト8まで勝ち上がったことは、来年春に向けての大きな収穫となった。
西武台が見せた「8回の5得点」
準々決勝で西武台が夏ベスト4の昌平相手に意地を見せた。
西武台は2回戦で伊奈学園に14―1、3回戦では東農大三を5―0で破って8強入り。準々決勝ではBシード・昌平を相手に7回まで0―4と追い込まれながら、8回に試合をひっくり返した。
西武台 5番戸田選手の適時打などで追い上げ、1点差まで迫った場面で打席に入ったのが続く岡戸選手。1死満塁から右翼を越える3点二塁打を放ち、一気に5―4と逆転した。
7回まで無得点に抑え込まれていたが、一つの流れをつかんだ瞬間に打線全体が畳みかけた。
敗れた昌平も吉田選手、小島選手、新井選手らの適時打で7回まで4―0と試合を進めていたが、最後は悔しい逆転負けとなった。
「1点」を守り抜いた浦和実と山村学園
もう一方の山から勝ち上がった2校には共通点がある。
浦和実と山村学園は、ともに準々決勝を1―0で勝ち切った。
浦和実は3回戦で上尾を4―1で下すと、準々決勝では埼玉栄と投手戦を展開。0―0のまま迎えた9回、落合選手、石垣選手の連打で好機をつくり、4番・高橋選手が決勝の右前適時打を放った。
準決勝進出の立役者が佐々木選手だ。
115球を投げ抜いて埼玉栄を完封。埼玉栄打線を4安打に抑え込んだ。関東大会出場を懸けた準決勝でも大きな鍵を握る。
一方、敗れた埼玉栄も黒沢選手が8回まで浦和実打線を散発3安打無失点に抑えていた。黒沢選手も見事な投球だった。
そして最大のインパクトを残したのが山村学園だ。
2戦連続コールド、無失点でベスト8を決めると、準々決勝ではAシード・浦和学院を1―0で撃破。公式戦で初めて浦和学院を破った。
決勝点は5回、4番・渡邊選手が放った左越えソロ。

投げては上田選手、島本選手の継投で浦和学院を5安打完封し、貴重な1点を最後まで守り切った。
一方、敗れた浦和学院で光ったのがエース左腕・佐々木選手だ。許した得点は渡邊選手のソロHRによる1点のみ。打線の援護には恵まれなかったものの、緊迫した投手戦を演じた左腕の投球は、来季へ向けても大きな経験となった。

関東への「2枠」 準決勝のキーマンは
準決勝第1試合は花咲徳栄―西武台。
ポイントは西武台が花咲徳栄の投手陣をどう攻略するかだ。古賀選手、石田選手、長谷川選手とタイプの異なる投手をそろえる花咲徳栄に対し、西武台は昌平戦で見せたように終盤まで粘り、勝負どころを逃さない展開に持ち込みたい。
キーマンは花咲徳栄が高原選手、西武台は岡戸選手。準々決勝でともに試合を動かす長打を放った2人が、関東大会を賭けた一戦でキーマンとなる。
第2試合の浦和実―山村学園は、対照的にロースコアの展開が予想される。
両校ともに準々決勝をともに1―0で勝ち上がった両校だけに、先制点の価値はさらに大きくなるだろう。
山村学園では渡邊選手、浦和実では佐々木選手がキーマンとなる。
夏の王者を追う3校 関東への切符をつかむ2校は
夏の王者・花咲徳栄が安定した戦いで勝ち上がる一方、西武台は土壇場の逆転劇、浦和実と山村学園は1点を守り抜く野球でベスト4への切符をつかんだ。
浦和学院、昌平が準々決勝で姿を消したことで、埼玉の勢力図にも変化の兆しが見える。関東大会へ進めるのはわずか2校。夏から続く花咲徳栄の強さか、それとも新たな勢力の台頭か。2027年春へつながる大一番に注目したい。

