2026年7月8日(水)。埼玉県の高校球児たちにとって最後の夏が始まる。
全国屈指の激戦区として知られる埼玉大会だが、今年は浦和学院、花咲徳栄の私学2強が優勝候補筆頭だが、経験のある実力校がノーシードで臨むなど勢力図が見えにくい年となっている。
春季埼玉大会を制した浦和学院は春季関東大会でも準優勝を果たし、超攻撃野球を実践し春季大会では県内トップの実績を残している。
対する花咲徳栄には県内随一の破壊力を持つ打線と投手力がある。花咲徳栄らしい安定した試合運びで昨秋は埼玉大会優勝、秋季関東大会では準優勝を果たした。
昌平には春4強の実績と勝負強さがある。また昨夏は2年連続準優勝を経験し甲子園まであと1歩。3度目の正直となるか。
昨夏甲子園初出場を果たした叡明には全国を経験したメンバーが残っている。今大会はノーシードだが勝ち上がっていく可能性は十分にある。
そして公立勢では上尾、熊谷商業、市立浦和、川口工業が私学上位陣を脅かす力を持つ。
今年の埼玉大会はどのチームが勝っても不思議ではない大会である。
秋や春の実績だけでは測れない、夏特有の緊張感や最後の大会に懸ける球児たち。
今年もまた、埼玉の球場では数え切れないドラマが生まれる。
優勝候補と勢力図分析
Sランク 優勝候補
浦和学院
春季埼玉大会優勝。春季関東大会準優勝。
実績を見ると他のチームよりも頭一つ抜けている。
打線は長打力とつながりを兼ね備え、守備にも大きな穴がない。
1番から9番まで攻撃の形があり、下位打線でも試合を動かせる。大量得点だけでなく接戦でも勝ちきれる点が今年の浦和学院最大の強みだ。
ベンチ入り全員のレベルが高く、総合力では県内トップと言える。
夏の連戦では冬に成長した投手陣が鍵となる。
〜戦力評価〜
投手力 ★★★★☆
打撃力 ★★★★★
経験値 ★★★★★
総合力 ★★★★★

花咲徳栄
県内最高クラスの攻撃力を誇る。
切れ目の無い打線で一度流れをつかめば大量得点で試合を決めることができる。
春の決勝で浦和学院に敗れたものの、優勝候補であることに変わりはない。
課題は投手陣の安定感。エース黒川投手を中心に2年生の石田投手、古賀投手で勝ち進んでいくことが夏を制する鍵になる。
〜戦力評価〜
投手力 ★★★☆☆
打撃力 ★★★★★
経験値 ★★★★★
総合力 ★★★★☆

Aランク 優勝争い
昌平
春4強。
打線の破壊力に加え、接戦をものにする力も備える。
春の上尾戦では苦しみながらも勝ち切った。
優勝候補の2校を倒す力を持つ学校である。
〜戦力評価〜
投手力 ★★★★☆
打撃力 ★★★★☆
経験値 ★★★★☆
総合力 ★★★★☆
聖望学園
春の結果だけでは測れない伝統校。
夏になると勝負強さを発揮する。
初戦の結果次第で一気に上位進出もある。
〜戦力評価〜
投手力 ★★★★☆
打撃力 ★★★☆☆
経験値 ★★★★★
総合力 ★★★★☆
上尾
公立勢筆頭。
公立最高レベルの守備力、投手力は県内でも上位クラス。
春季大会では昌平を追い詰めた。
例年安定した成績を残しており公立勢で最も甲子園に近い存在だ。
〜戦力評価〜
投手力 ★★★☆☆
打撃力 ★★★☆☆
経験値 ★★★★☆
総合力 ★★★★☆
春日部共栄
伝統的に守備と走塁で勝つチームであり、短期決戦向きの戦いができ夏に強い。
〜戦力評価〜
投手力 ★★★★☆
打撃力 ★★★☆☆
経験値 ★★★☆☆
総合力 ★★★★☆
Bランク ダークホース私立
秀明英光
春には星野、埼玉栄を撃破し準々決勝まで勝ち進んだ。勢いに乗った時の爆発力は侮れない。
西武台
守備力と投手力が武器。接戦に持ち込めば怖い存在となる。
浦和麗明
近年安定して結果を残している。秋季大会以降の勝ちゲームを振り返ると3点差以内の接戦をものにしており勝ち切る力がある。
叡明
昨夏甲子園初出場。全国大会を経験したメンバーも残り初戦の浦和麗明を勝ち切れると勢いに乗れる。
Bランク ダークホース公立
熊谷商業
今大会Dシード。私立相手にも守り勝つ野球ができる。集中打も魅力。
川口工業
近年古豪復活に近づいている伝統校。異なる4人投手で守り勝つ野球が出来ると上位進出の可能性がある。
大宮北
近年力を付けている公立校。昨秋に10−11で敗戰した南稜に春季大会で13−0とリベンジを果たした。二桁得点を取れる打線は魅力。
ブロック別「ベスト8」展望
Aブロック
本命 浦和学院
対抗 春日部共栄
ダークホース 熊谷商業
浦和学院が最有力だが、浦和学院にとって戦いにくいと思われるのは熊谷商業のような守備型チームだ。接戦となった場合、一球のミスが勝敗を分けることとなる。
ベスト8を賭けて夏に強い春日部共栄との戦いになる可能性が高い。
熊谷商業は私学と互角に戦えるチーム力がある。
Bブロック
本命 花咲徳栄
対抗 上尾
ダークホース 川口市立
最注目は花咲徳栄。順当に勝ち進むと上尾VS川口市立との公立校対決。
公立校が優勝候補相手にジャイアントキリング出来るか。
Cブロック
本命 浦和麗明
対抗 立教新座
ダークホース 叡明
最激戦ブロックで実力が拮抗しておりどこが抜けても不思議ではない。
初戦から浦和麗明VS叡明の姉妹校対決となる。立教新座、大宮東、市立川越、西武文理、県立川口などの上位を狙える高校がひしめき合う。
Dブロック
本命 昌平
対抗 聖望学園
ダークホース 川口工業
このブロックもCブロック同様、面白い組み合わせとなった。
山村学園、西武台、聖望学園、昌平などの強豪私立と昨年浦和学院を撃破した滑川総合、Dシードを勝ち取った浦和、強力打線の大宮北、守りから流れを作れる川口工業は強豪私学を撃破し勝ち進む可能性は十分にある。
埼玉大会注目選手5人
玉榮久豊(浦和学院)
春は浦和学院のリードオフマンとして活躍。走力のみならず長打力があり一振りで試合を決められる。
辻岡瑛人(上尾)
エースとしても打者としても上尾の中心となっている選手。
キレのある球でテンポが良く試合を作れる、勝てる投手。
市村心(花咲徳栄)
下位打線を打つことが多いが秋季関東大会決勝の山梨学院戦ではホームランを放つなどバッティングセンスは抜群。市村選手が下位打線にいる花咲徳栄は脅威だ。
延原孝介(大宮北)
下級生の頃から試合に出場してきた経験があり、打撃センス抜群で足も使える選手。
昨夏は3回戦から5回戦にかけて8打席連続安打を記録。投手としてもチームを支える。
金子壮次朗(川口工業)
まだ2年生だがセカンド送球1.8秒に迫る強肩捕手。肩だけでなく観察力で試合を作れる。異なる投手陣をどのようにリードしていくかが川口工業が勝ち進むポイントとなる。
終わりに
春に敗れたチームが、わずか二か月で別のチームになることもある。
春に目立たなかった選手が、一気に夏の主役へ駆け上がることもある。
そして最後の夏に懸ける三年生の執念は、時に戦力差や実績を覆すことがある。
今年の埼玉大会もまた、誰も予想しなかったドラマが生まれるはずだ。
浦和学院が春夏連覇か、花咲徳栄が王座を奪還するのか。
昌平や聖望学園が悲願を達成するのか。それとも上尾や川口工業が公立旋風を巻き起こすのか。
7月8日の開幕から熱戦が始まる。

