準決勝 浦和実VS昌平

日付:2025年7月25日(金)
会場:県営大宮公園野球場
第107回全国高等学校野球選手権埼玉大会、準決勝で、浦和実業と昌平が対戦。両校のエースが持ち味を発揮し、最後までスコアボードに「0」が並ぶ緊張感の続く試合となった。決着は9回裏、昌平が連打と執念のスクイズで1点をもぎ取り、1-0でサヨナラ勝利。選抜ベスト4の浦和実はチャンスを作りながらもあと一本が出ず、悔しい敗退となった。
投手まとめ
【浦和実】
石戸颯汰:9回120球 被安打5、与四死球5、失点1。強気の直球と緩急で昌平打線を封じ、8回までは無失点。9回裏のサヨナラスクイズでの1点に泣いた。
【昌平】
窪田竣介:5回⅔ 93球 被安打3、与四球2、無失点。序盤から低めを丁寧に突き、浦和実打線を封じ込めた。
佐藤佑輝:2回⅔ 34球 被安打2、無失点。7回のピンチも無失点で切り抜け木下選手に繋いだ。
木下雅斗:0回⅓ 7球 無失点。9回表に登板し、走者を三塁まで進められるも冷静にアウトを重ねた。
主な活躍選手
【浦和実】
田谷野巽生(1番・中堅):3打数1安打1四球、1盗塁。出塁率の高さと果敢な盗塁で攻撃の起点を作った。
工藤蓮(6番・三塁):2打数1安打1四球1犠打。2出塁し、7回、9回と先制のチャンスを作った。
【昌平】
中島航作(6番・遊撃):4打数1安打。9回に試合を決めるスクイズを決めた。勝負強さを発揮した。
櫻井ユウヤ(4番・三塁):3打数1安打1四球。中軸として勝負強く出塁し、9回の攻撃につなげた。2回には特大のレフト場外へファールを放ち観客を沸かせた。
試合展開
試合は序盤から終盤まで両チームのスコアボードに0が並び緊迫の投手戦となった。
浦和実の石戸選手はテンポ良く打者を抑え、前半戦は昌平打線に走者すらを許さない完璧な投球を見せた。特に4回の4番櫻井選手、5番大倉選手を連続で打ち取った場面は圧巻だった。対する昌平の窪田選手も、浦和実の強力打線に対し散発で安打を打たれながらも落ち着いた投球を披露した。
試合が動きかけたのは7回表。浦和実は無死一塁から橋口選手が送りバントを決め、一死二塁と先制の好機を作る。しかし、続く深谷選手の右前打で一、三塁とした後、投手・石戸選手がレフトライナーに倒れ、飛び出した三塁走者が帰塁できずダブルプレーとなる痛い場面だった。
最終回の9回表、浦和実は先頭の野本選手が中前打で出塁、工藤選手の送りバントで二塁まで進む。しかしここで昌平は木下選手に継投し後続を断ちピンチをしのいだ。迎えた9回裏、昌平は4番櫻井選手、5番大倉選手の連打で一死一、三塁と絶好のチャンスで続く中島選手が1ストライクから3塁ランナー櫻井選手が投球と同時にスタートを切り、スクイズ。
見事に投手左側に転がし、浦和実・石戸投手がホームへグラブトスするも間に合わず決勝点となり、サヨナラ勝ちを収めた。
⚾️試合のポイント⚾️
⚾️ 両チームのエースが見せた投手戦。特に石戸選手(浦和実)は9回120球の力投で5安打1失点と奮闘した。
⚾️ 浦和実は3回・7回・9回に先制の好機を作るも、あと一本が出ず。
⚾️ 昌平は9回に4番・5番の連打でチャンスを作りスクイズで試合を決め、勝負強さが光った。
⚾️ 両校とも守備で大きな乱れがなく、緊張感ある接戦を展開したのが印象的だった。
【浦和実】石戸の熱投も実らず。惜敗で夏終わる
浦和実は石戸選手が9回まで投げ抜き、最後の最後まで昌平打線を封じていた。序盤から好投を続けたが、あと1本が出ず無念の敗戦となった。田谷野選手の出塁や山根選手、野本選手の安打でチャンスは作れたものの、決定打を欠いた。
それでも、粘り強い守備と石戸選手の直球主体のコーナーを突く強気の投球は見事だった。
【昌平】スクイズで決着。投手リレーで完封勝利!
昌平は窪田選手→佐藤選手→木下選手の3投手が無失点リレーを見せた。中でも窪田選手の丁寧な投球は試合の流れを作り、佐藤選手・木下選手がそのリズムを引き継いだ。打線では中島選手のスクイズが決勝点となり、サヨナラ勝ちを収めた。
【まとめ】昌平が紙一重の勝利、浦和実エース石戸が躍動
この試合は、投手戦の末に最後の1点を取った昌平が勝利を収めた。浦和実にとっては、チャンスを生かし切れなかったことが惜しまれるが、エース石戸選手の熱投は大会屈指のパフォーマンスを魅せた。昌平は接戦での勝負勘と継投の巧さが光った。