【埼玉高校野球】公立高校に新しい風を!さいたま市立大宮北高校「自分たちで考え、自分たちで創るチーム」〜“考える集団”が強豪私立に挑む夏~

埼玉県内でも文武両道を掲げて成長を続ける大宮北高校野球部。

今回は東京都立狛江高校との練習試合が行われていた梅雨直前の6月上旬に伺わせていただいた。

仲間との信頼、目的意識を持った練習、自分自身と向き合う日々―このチームの強さの根幹には、選手たちの“主体性”があった。今回は数名の選手、そして佐々木監督へのインタビューを通じて、彼らの思考と夏にかける思いに迫った。

※大宮北と刻印されているボール
目次

大宮北高校を選んだ理由「ここなら文武両道できると思った」

「もし大宮北高校じゃなかったら、市立川越に進んでいたと思います」

「もし大宮北高校じゃなかったら、春日部東に進んでいたと思います」

ある選手たちは、そう率直に語った。

学業と野球の両立がしやすく、環境も整っていたことが大宮北高校を選ぶ決め手になったという。「練習だけでなく、学習面でもサポート体制が整っているので、1年生のときから“文武両道”という意識を強く持つことができました」と振り返る。

“考える野球”を支える日々の努力と工夫

選手たちは日々の生活の中で限られた時間を、最大限に活用している。

ライターが「文武両道する上で工夫していることは?」と問いかけると

「1限が始まる前に課題をこなしたり、電車の中で英単語を覚えたり。寝る前の15分も無駄にしません」と選手たちは答える。さらに、オフの日や練習の合間にも計画的に学習時間を確保している。例えば練習試合の時も”試合組・練習組・勉強組”とローテーションし練習や試合をこなし文武両道を実践している。チームの中で“今どう過ごすべきか”を共有できるのがこのチームの強みである。

チームの雰囲気「仲が良いから、言い合える」

チームの雰囲気については、取材した選手全員が「仲が良い」と即答する。

「ミスをしても責めることはなくて、“次はこうしよう”と自然と声が出る雰囲気です」

練習でも、監督に練習メニューを提案するのは選手たち自身。練習の意図を明確にし、目的を持って取り組んでいる。まさに「自主・自律・創造」の校訓を体現している。

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夏の大会へ「一戦必勝、そして“強豪私立を倒す”」

チームの目標は「強豪私立に勝つこと」。これは選手たちだけでなく、佐々木監督も口にする言葉だ。

「去年の秋、武南戦で悔しい負け方をした。そこから冬を超え春ベスト8という結果を出せた」「シード校になりましたが、ごく普通の高校生たちですよ。」佐々木監督は笑顔で話す。

唯一の2年生レギュラーである延原選手は「昨夏、浦和実業に敗戦しました。1番ショートとして試合に出させてもらったが結果を出せず悔しかった」と話す。

選手たちは強豪私立を倒すため、日々目的意識を持ち練習に打ち込んでいる。

“食トレ”も選手が主体で「足りない栄養素は自分で考えて摂る」

大宮北高校では、体づくりも個々の主体性に任されている。監督はあくまでサポートに徹し、選手たちが自分で必要な栄養素を調べ、必要な分を食事で摂取するという。

食トレ専門の企業の協力もあり、選手たちは体づくりに励んでいる。食トレ

ある選手は1日に4.5合は白米を食べるという。白米+おかずで1食で1kgは食べる。

バランス良く食べることにより筋肉量を増やし、入学当時より14kg増量した選手もいる。

「打球が速くなった、球速が速くなった、飛距離が伸びた、スピードが出るようになった」食トレを行なってきた選手たちは確実に食トレの効果を実感しており自分の成長を各々で管理している。これらは「勝つための準備」の一環である。

佐々木監督が語る“人間力”の指導

市立浦和などで野球経験を積み、赴任先の川口青陵高校では男子ソフトボール部を硬式野球部に転部させ、川口青陵硬式野球部を創立した異色の指導者・佐々木監督。「技術だけでなく、人間力を育てたい」負けた時こそ、人間的に成長するチャンス。また、勝ち進むごとに選手が自信をつけチームが強くなっていく過程を見るのが、一番うれしい」と話す。

※大宮北高校野球部 佐々木監督

印象に残る試合

佐々木監督にこのチームで印象に残る試合を聞くと、2024年秋の武南戦を挙げる。

「新チームになった時からの目標が”打倒・強豪私立”でした。あの敗戦から”これでは強豪私立は倒せない”と選手たちが感じ、この冬も良く頑張って乗り越えてくれたと思います」と話す佐々木監督。

現在のメンバーは中学時代に地域の選抜チームに選ばれた選手が多く、「漠然と打倒強豪私立」を掲げていたが、この敗戦から彼らなりに考え団結した結果、一気にスイッチが入り厳しい冬の練習を乗り越え、この春の快進撃に繋がった。


“考える力”が、このチームの本質

「自分で考えて行動する」大宮北高校野球部の本質は、まさにそこにある。自主的な行動、他者への思いやり、そして全員で強くなろうとする姿勢。派手さこそないが、確かな土台がここにはある。

※投球練習とストレッチの様子

取材後記】目指すはその先。勝利よりも大切な人間成長

「考える野球」 言葉にすれば簡単だが、それを高校生たちが日々の中で実践している光景は、取材者として強く心に残った。

今回の取材で印象的だったのは、誰かに「やらされている」のではなく、自分たちで考え、試行錯誤し、時には仲間同士で議論しながらチームを作っているという事実だった。練習メニューを自分たちで提案し、勉強との両立にも一人ひとりが責任を持つ。さらには「食事管理」まで、各選手が自分の身体と向き合い、必要な栄養素を調べて補う。

ここには、「主体性」という言葉以上のリアルがあった。

佐々木監督が口にした「人間力を育てたい」という言葉も、このチームの本質を物語っていた。勝つためだけでなく、人としての成長を大切にする指導があるからこそ、選手たちの発言にはブレがなく、自信と責任がにじんでいたのだと思う。

もう一つ、取材を通して感じたのは「仲の良さ」だけでは言い表せない、信頼関係の深さだった。仲間のミスを責めず、次にどう活かすかを言い合える関係性は、そう簡単に築けるものではない。日々を真剣に積み重ねてきた証だろう。

「強豪私立を倒したい」という目標は、単なるスローガンではなく、一人ひとりの胸にしっかりと根を張っている。その挑戦がこの夏、どんな結果を生むのか。勝敗の先にある「過程」にこそ、彼らの物語がある。

「自分たちで考え、自分たちで創るチーム」その言葉に嘘はないと、心から思える取材だった。

この夏、彼らの挑戦がどんな物語を描くのか。明るい未来を期待せずにはいられない。

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