1回戦 結果は東亜学園9ー10桐生第一

2025年5月18日/ノーブルホームスタジアム水戸
2025年5月18日、ノーブルホームスタジアム水戸で行われた春季関東大会の1回戦、桐生第一(群馬)と東亜学園(東京)の一戦は、両校が一歩も譲らぬ激闘の末、桐生第一が延長10回に劇的なサヨナラ勝ちを収めた。
投手まとめ
【東亜学園】
佐々木 俊:先発として8回154球を投げ、被安打15、6失点(自責2)。崩れそうな場面でも踏ん張り続けた。
五十嵐 遥貴:延長10回裏に登板し、1回1/3で4失点。あとアウト2つで勝利という場面で痛恨の逆転劇を許してしまった。
【桐生第一】
齋川 航大:先発し9回を完投。164球で被安打12、6失点と苦しんだが、粘り強く試合を作った。
長岡 拓海:延長10回表に登板。3失点を喫したが、その裏の逆転劇で敗戦投手は免れた。

主な活躍選手
【東亜学園】
山下 海龍:2番・中堅。4回表に同点に追いつく2点タイムリー、9回表には同点に追いつく犠牲フライと、試合の節目で再三チームを救う活躍を見せた。
五十嵐 遥貴:6番・一塁→投手。2回表にレフトオーバーのソロホームランを放ち、東亜学園に勢いを与える一打となった。
磯部 翔貴:1番・左翼。4回表に2点タイムリーを放ち、ビハインドの展開で流れを呼び戻した。
【桐生第一】
松島 桜介:4番・一塁。この試合最大のキーマン。1回裏の先制点の場面では、彼の打席中に相手のエラーを誘発。さらに8回裏にはレフトへのタイムリー二塁打で勝ち越し打、そして10回裏の土壇場では再び2点タイムリーツーベースで追撃の狼煙を上げ、チームを劇的なサヨナラ勝ちに導く原動力となった。
大塚 蓮央:代打。10回裏、1アウト1・2塁の場面でレフトへ劇的なサヨナラスリーベースを放ち、試合を決着づけた勝負強さが光った。
林 滉太:2番・二塁。2回裏に勝ち越しのタイムリーを放ち、チャンスを逃さない打撃を見せた。
展開その1:初回から動いた試合、両者一歩も譲らず
試合は1回裏、桐生第一がいきなり試合を動かす。1アウト2、3塁の好機で、4番・松島桜介の打席中に遊撃手のエラーを誘い、1点を先制。そのまま勢いに乗るかと思われた。
しかし2回表、東亜学園は6番・五十嵐遥貴が左翼スタンドへ同点のソロ本塁打。すかさず試合を振り出しに戻した。
だがその裏、桐生第一が再び主導権を奪う。満塁の場面で2番・林滉太がライト前へ勝ち越し打を放ち、さらにワイルドピッチで追加点。3-1と再びリードを広げた。
展開その2:一進一退の攻防、東亜学園が同点に追いつく
3回裏にも桐生第一は加点。7番・森田惺の野手選択で1点、9番・小松京奨の適時打でさらに1点を挙げ、スコアは5-1に。
だが簡単には終わらせないのが東亜学園。4回表、2アウト満塁のチャンスに1番・磯部翔貴がライト前へ2点適時打、さらに2番・山下海龍がレフト前に2点打を放ち、一気に5-5の同点に追いついた。
その後は両投手が粘りを見せ、試合は膠着状態に突入。均衡が破れたのは8回裏だった。
展開その3:松島が再び勝ち越し打も、東亜学園が土壇場で追いつく
8回裏、再び試合を動かしたのは桐生第一の4番・松島。レフト線を破る勝ち越しのツーベースで6-5と再びリード。
だが9回表、東亜学園は再び山下が犠牲フライで同点に。6-6で試合は延長戦に突入する。
展開その4:延長10回、両校の意地がぶつかり合う
10回表、東亜学園が勝ち越す。1アウト満塁から7番・高見遼汰がレフト前にタイムリー、さらに9番・笠間大惠も中前へ2点適時打。9-6と試合をひっくり返し、勝利をグッと引き寄せた。
だがこの日の桐生第一には、まだドラマが残っていた。
展開その5:桐生第一が3点差を跳ね返し、劇的サヨナラ!
10回裏、桐生第一は1アウト2、3塁から松島がこの日3本目の適時打となる右中間ツーベース。2点を返して1点差に迫ると、なおも1アウト1、2塁で6番・大塚蓮央が左翼線を破る劇的な一打。走者2人が生還し、10-9。桐生第一がサヨナラ勝ちを決めた。

ヒーローは松島と大塚 圧巻の勝負強さ
この試合のヒーローは、間違いなく4番・松島と6番・大塚。松島は3本の適時打を放ち、勝ち越し・追撃・逆転とあらゆる場面でチームを引っ張った。大塚も延長10回、最後の最後に試合を決める渾身のサヨナラ打。両者の勝負強さが、劇的な結末を生んだ。
⚾️試合のポイント
⚾️ 桐生第一は初回から積極的に仕掛け、ミスを突いて先制点を奪取。主導権を握る展開に。
⚾️ 東亜学園は2回表、五十嵐のソロ本塁打で流れを引き戻した。
⚾️ 4回表に東亜学園が4点を奪って5-5に追いつくなど、終始拮抗した展開が続いた。
⚾️ 桐生第一の4番・松島桜介が3本の適時打を放ち、勝ち越し・追撃・逆転のすべてに絡む大活躍。
⚾️ 延長10回、東亜学園は高見・笠間の連続タイムリーで3点を勝ち越し、勝利に王手をかけた。
⚾️ その裏、桐生第一が驚異の粘り。松島の2点タイムリーと大塚蓮央のサヨナラ打で逆転勝利を収めた。
⚾️ 両校合わせて19得点の乱打戦ながら、両チームの集中力と勝負強さが際立つ名勝負となった。
まとめ
春の関東大会で実現した好カード、東亜学園と桐生第一の一戦は、互いに主軸が意地を見せ、試合終盤まで目が離せない展開となった。試合は延長10回にもつれ込み、最後は桐生第一が劇的なサヨナラ勝ちを収める大熱戦だった。
打撃戦となったこの試合で、東亜学園は粘り強く得点を重ね、山下や五十嵐、磯部らの勝負強さが光った。一方、桐生第一は松島の猛打と勝負どころでの集中打が光り、延長戦の大逆転を呼び込んだ。
両チームともに持ち味を出し切り、まさに「高校野球の醍醐味」を体現する一戦だった。
最後まで目が離せなかった大激戦
一方の東亜学園も、4点差を追いつき、延長で勝ち越すなど粘りの野球を見せた。惜しくも敗れたが、選手たちの気迫は観る者の胸を打った。
両校の力が拮抗した激闘は、春季関東大会の名勝負として語り継がれるだろう。
