専大松戸、徳栄を圧倒。門倉選手の粘投と「千葉1位」の集中打が爆発した事実上の決勝戦【第78回春季関東地区高等学校野球大会:2回戦】

2026年5月17日、千葉県総合スポーツセンター野球場(天台)。スタンドを埋め尽くした観衆の熱気が、試合前から「事実上の決勝戦」であることを物語っていた。センバツ4強の専修大松戸と、8強の花咲徳栄。関東のみならず全国の頂点を狙う両雄の激突は、予想外のスコアで幕を閉じることとなった。地元の期待を背負った専大松戸が、強力な「徳栄旋風」を力強く押し戻した激闘の110分であった。

主な活躍選手

1. 門倉 昂大選手(専修大松戸・投手)
この日の門倉は「打たせて取る」の極致にいた。花咲徳栄の強打者たちに11安打を許しながらも、失点を4に抑えたのは、捕手・吉岡伸太朗との息の合った配球ゆえだ。ピンチでギアを上げ、内角を突く度胸。そして、連打を許さない精神力。センバツ4強の経験が、彼を一回り大きな「負けないエース」へと進化させていた。

2. 宮尾 日色選手(専修大松戸・内野手)
1番打者として4安打の大暴れ。彼の快足がベースを駆け回るたびに、花咲徳栄の守備陣に焦りが生じた。特に逆転の三塁打は、試合の流れを完全に専修大松戸側に引き寄せた。打撃技術だけでなく、次の塁を狙うアグレッシブな走塁は、まさに「専松の顔」と呼ぶにふさわしい。

3. 黒川 凌大選手(花咲徳栄・投手)
敗れはしたものの、黒川の直球の威力は今大会でも屈指だった。専修大松戸の各打者が「差し込まれる場面」が多々あり、ポテンシャルは疑いようがない。この大敗を糧に、夏の埼玉大会までに変化球の精度をどう高めてくるか。プロスカウトの視線は依然として熱い。

目次

【試合展開】伝統の「打の徳栄」を凌駕した、専松の波状攻撃

試合は初回から動きを見せた。先攻の花咲徳栄は、1番・岩井虹太郎が専大松戸のエース・門倉昂大の初球を捉え、出塁。犠打と単打で電光石火の先制点を挙げ、自慢の強力打線の威力を見せつけた。

しかし、ここからの専大松戸の反撃が圧巻だった。2回裏、下位打線が粘って好機を作ると、1番・宮尾日色が右中間を破る適時三塁打を放ち逆転。さらに3回、4回と、専大松戸は花咲徳栄のエース・黒川凌大の140キロ後半の直球を、驚異的なミート力で捉え続けた。特に、狙い球を絞った際の一振りの鋭さは、冬を超えてさらにスケールアップしたことを証明していた。

中盤、花咲徳栄も意地を見せる。5回、クリンナップの連続長打で2点を返し、点差を縮めてプレッシャーをかける。しかし、専大松戸は動じない。その裏、すぐに突き放す集中打を見せ、主導権を一度も渡さなかった。

終盤、専大松戸は代打攻勢も的中し、計15安打11得点。一方の門倉は、走者を背負いながらも要所を締め、11安打を浴びながらも4失点で完投。11対4という、終わってみれば専大松戸の地力が際立つ大勝となった。

「天台の風」を味方につけた集中力と、吉岡のリード

この試合の最大のポイントは、「失点直後の加点」にある。

花咲徳栄が1点、2点と追い上げるたびに、専大松戸はその裏の攻撃で必ずと言っていいほど得点を取り返した。これは相手の反撃の芽を摘むだけでなく、精神的に大きなダメージを与える。持丸監督が掲げる「粘り」と「集中」が、この大舞台で完璧に体現されていた。

また、守備面では捕手・吉岡伸太朗のリードが光った。花咲徳栄の打者たちが門倉の直球にタイミングを合わせてくる中、意表を突くスローカーブや外角への出し入れで、決定的な一打を許さなかった。11安打を打たれながら4失点に抑えられたのは、守備陣が常に「打たれること」を想定し、連動した守備位置を取っていた結果でもある。

【総評】千葉の王者が示した「夏への完成度」。徳栄は逆襲を誓う

専修大松戸にとって、この勝利は「関東に敵なし」を知らしめる強烈なメッセージとなった。センバツの勢いそのままに、地元千葉で最強のライバルを圧倒したことで、夏の甲子園での「悲願の頂点」がより現実味を帯びてきたといえる。

対する花咲徳栄。11失点という屈辱的なスコアとなったが、打線の破壊力自体は健在であることを証明した。課題は明白になった投手陣と守備の整備だ。岩井監督のもと、この敗北を「夏への良薬」に変えることができるか。埼玉大会で再び無敵の姿を取り戻すことを、多くのファンが期待している。

5月の天台に刻まれた「11対4」。それは、専修大松戸の揺るぎない自信と、花咲徳栄のさらなる進化への火種が混ざり合った、2026年春を象徴する一戦となった。千葉の王者がこのまま関東の頂点まで駆け上がるのか。物語の続きは、準々決勝へと引き継がれる。

✏️ライター:SUJ

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