大会4日目 花咲徳栄VS甲府工

日付:2025年10月21日(火)
試合会場:山日YBS球場
花咲徳栄が序盤から攻勢をかけ、主将・笹﨑昌久選手の先制打を皮切りに終始試合を支配。エース黒川凌大選手が79球で完封し、6回コールドの10−0で甲府工を下した。打線は9安打とつながり、各打者が役割を果たした一戦となった。
◾️投手まとめ◾️
【花咲徳栄】
黒川凌大:先発 6回79球、被安打3、無失点。
走者を背負っても落ち着いて打たせて取り、テンポの良い投球で主導権を握った。ストレートとスライダーのコンビネーションが冴え、危なげない完封劇だった。
【甲府工】
滝澤雄大:先発3回、51球、被安打2、2失点。
序盤に制球が甘くなったが、粘りの投球を見せた。
山下直太郎:3回、74球、被安打7、8失点。
打線の勢いを止められず、6回に崩れた。粘り強さは見せたが、強力打線の圧力が上回った。
◾️主な活躍選手◾️
【花咲徳栄】
笹﨑昌久(3番・右翼手):初回に中越え適時二塁打で先制。6回にも押し出し直後の適時内野安打を放ち、攻撃の中心としてチームを牽引した。
佐伯真聡(4番・捕手):3回に右適時打、6回にも2点中前打を放ち3打点の活躍。勝負強さが光った。
鈴木琢磨(2番・中堅手):送りバントを2本成功させるなど小技で貢献。5回にはセンター前ヒット、6回には押し出し死球で追加点を呼び込んだ。
【甲府工】
天野零矢(2番・遊撃手):2安打の活躍でチーム唯一の複数安打。鋭いスイングで投手に食らいついた。
戸栗功晴(4番・一塁手):4回に右前打を放ち意地を見せた。守備でも堅実な動きを見せた。
試合展開
初回、花咲徳栄は先頭の岩井選手が四球で出塁。鈴木選手がきっちり送り、一死二塁から3番笹﨑選手が中堅を越える二塁打を放ち、先制点を挙げる。続く佐伯選手も四球でつなぐが、後続は併殺に倒れ、この回は1点止まり。それでも序盤から得点への意識が高い攻撃を見せた。
その裏、甲府工は天野選手の左前打でチャンスを作るも、後続が続かず無得点。黒川凌大選手がテンポ良く立ち上がり、試合の主導権を握った。
2回表、花咲徳栄は再び四球で走者を出すが、決定打は出ず。甲府工の滝澤選手も丁寧に低めを突いて踏ん張った。
3回表には再び先頭の岩井選手が相手の失策で出塁。送りバントと外野フライで二死三塁とし、4番佐伯選手が右前へ運ぶタイムリー。これで2−0とリードを広げた。
中盤に入ると、花咲徳栄が着実に加点を重ねた。4回には市村選手の右前適時打で3−0。5回には奥野選手の犠牲フライで4−0と突き放す。対する甲府工は中込選手や戸栗選手の鋭い打球も見られたが、いずれも守備網に阻まれ、得点にはつながらなかった。
そして試合を決定づけたのは6回表。花咲徳栄は四球と死球で満塁の好機を作ると、鈴木選手の押し出し死球、笹﨑選手の投ゴロ内野安打、佐伯選手の2点タイムリー、中盤を締める本田新志選手の2点右中間二塁打と一気に6点を奪取。連打と選球眼が光るビッグイニングで10−0とした。その裏、黒川選手はこの回先頭の前田選手を遊ゴロ、中込選手と天野選手を連続三振に抑え、79球で試合を締めた。
花咲徳栄が理想的な試合運びで、6回10点差コールド勝利を収めた。
⚾️試合のポイント⚾️
⚾️ 先制打の笹﨑選手が攻撃の流れを作った
⚾️ 黒川選手が6回完封、制球・テンポともに抜群
⚾️ 花咲徳栄の送りバント・犠飛など“つなぐ野球”が機能
⚾️ 甲府工は守備の乱れが痛手、好機を作れず
⚾️ 6回の6得点が勝敗を決定づけた集中打
花咲徳栄・チームの完成度光る快勝劇
序盤から相手に隙を与えない攻撃で流れを掌握した。特筆すべきは3番笹﨑選手、4番佐伯選手を中心とした中軸の勝負強さ。送りバントや犠牲フライといった基本プレーを確実にこなす「勝ちきる力」が際立った。投げては黒川選手が四球1つの完璧な内容。守備でも失策ゼロと安定しており、チーム全体の完成度の高さを感じさせる試合だった。
甲府工・序盤での失点響くも若さ見せる
序盤から強打線を相手に苦しい展開となったが、若いチームらしい思い切りの良いスイングが光った。特に天野選手の2安打は見事だった。守備面では中盤の失策や制球の乱れが重なったものの、滝澤選手、山下選手ともに気持ちのこもった投球を見せた。今後に向けては守備の連携や立ち上がりの安定が鍵となる。
【まとめ】堅実さと爆発力が融合した花咲徳栄
花咲徳栄は「つなぐ攻撃」と「締める投球」が噛み合った理想的な展開を見せた。序盤は送りバントで確実に得点圏を作り、終盤には四死球をきっかけに一気にたたみかける。打線では各選手が自分の役割を理解しているのが強みだ。一方の甲府工も序盤のミスを除けば守備位置取りなどに工夫が見られ、将来性を感じさせた。花咲徳栄にとっては、秋の戦いの中で“勝ち切る力”を再確認する一戦となった。


