横浜商業・山崎光雅全国ベスト4の経験を胸に秘め、私学を倒して、神奈川の頂点へ

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全国4強からY校へ。公立で頂点を目指す決断

横浜商業高等学校の新チームの4番打者として打線の中軸を担うのが、山崎光雅(やまざき こうが)選手だ。年長より川和シャークスにて野球を始め、南瀬谷ライオンズ(瀬谷区選抜)、横浜青葉シニアでは全国大会ベスト4を経験。中学野球界で実績十分な彼には多くの私学から声が掛かったという。

それでも山崎選手が選んだのは、伝統ある公立校・横浜商業だった。

電車で片道1時間から1時間半をかけての通学。決して楽ではない日々だが、その時間もまた、自身の覚悟を確かめる時間になっている。

「私学からの誘いもあったが、Y校で私学を倒したい気持ちが強かった」

その言葉には、公立校で勝つことへの強いこだわりと誇りを感じた。

声が生む一体感。横浜商業のチームカラー

山崎選手が語る横浜商業の魅力は、チームの「雰囲気」にある。

「一人一人に個性があって面白い。アップの段階から声を出して、チームが一気に活気づく」

試合中もベンチからの声掛けが途切れることはない。ミスが出ても下を向かず、全員で盛り上げて流れを引き寄せていく。それは古豪と呼ばれてきたY校が大切にしてきた文化でもある。

4番打者であり、前のチームから出場機会を得ている立場として、山崎選手自身も「チームを引っ張っていく存在」であることを認識している。投手への声掛け、内野での細かな確認。グラウンド内での振る舞い一つ一つが、チームの空気を左右することを理解しているからだ。

※12月の極寒の中、必死に打球にくらいつくY校の選手

考える守備、鋭い打球。セカンド・山崎の強みと課題

右投右打、身長173センチ体重78キロ。セカンドとしてはがっしりとした体格を生かし、守備範囲の広さが光る。

「常に考えてプレーすること」を練習から徹底しているという。特に守備では、カウントや相手打者の体格、スイングの軌道を見て、次に起こり得るプレーを想定。周囲と声を掛け合いながら確認を重ねる。

打撃面では、いわゆる長距離砲ではないと自己分析する。「ライナーで鋭い打球を打つことを心掛けている」4番という役割を理解しつつも、確実性と強い打球で得点機を広げるスタイルだ。

一方で課題も明確だ。カットプレーから本塁への送球、守備範囲ギリギリで捕球した際のスローイング精度。試合の流れを左右する場面だからこそ、細部の精度を高めたいという意識が強い。

満員の保土ケ谷で味わった悔しさと、次への覚悟

印象に残っている試合として挙げたのは、2025年夏の大会1回戦、横浜栄高校戦と語る。

この試合はテレビ中継が入り、サーティーフォー保土ケ谷球場は初戦から満席。独特の緊張感に包まれた中で、「思ったプレーができなかった」という。

その経験は、山崎選手にとって大きな課題を突きつけた。技術以前に、メンタルの強化。気持ちの持ち方一つで、普段通りのプレーができなくなる怖さを実感した。

「気持ちを強く持ち、練習で細かいところを突き詰めていきたい。自分のプレーに自信を持てるようになりたい」悔しさを言い訳にせず、次への糧に変えようとする姿勢に胸を打たれた。

支えへの感謝と、その先に見据える未来

3人兄弟の末っ子。野球を続ける中で、金銭面を含め両親に大きな負担を掛けてきた。

「父には小学生の頃から野球をやらせてもらった。母には毎日のお弁当や洗濯、家事まで支えてもらっている」。言葉は多くないが、その一つ一つに感謝の重みがある。

横浜青葉シニア時代の鈴木前監督から受けた厳しい指導も、今では大きな財産だ。

「当時は正直苦しかったが、あの経験があったから今の自分がある」

進路は大学進学を予定しているが、野球を続けるかどうかは未定だという。だからこそ今は、目の前の目標に全力を注ぐ。

「まずは春の大会以降、勝ち抜いて私学を倒し、甲子園を目指したい」

Y校の4番として、その覚悟は揺るがない。

【取材後記】考え続ける4番が示す、一戦必勝で全国の舞台へ

山崎選手の言葉から一貫して伝わってきたのは、「考える」ことへの強い意識だった。守備、声掛け、メンタル、チームへの関わり方。そのすべてに理由があり、役割がある。

私学全盛と言われているこの時代、全国屈指の激戦区神奈川大会で公立校である横浜商業が再び頂点を目指す。

その象徴とも言える存在が山崎選手と感じた。私学を公立校で倒したいという強い気持ち。満員の球場で味わった悔しさも、通学に費やす長い時間も、彼自身が高校野球にかける覚悟が見える。

4番・セカンドとしてチームを背負う背中は、まだ成長の途中にあるが、その過程こそが、Y校復活への確かな足音なのだろう。

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