準々決勝 聖望学園VS叡明

日付:2025年7月23日
試合会場:埼玉県営大宮公園野球場
立ち上がりは両軍の先発がテンポ良くゼロを重ねたが、均衡を破ったのは4回裏の叡明(えいめい)。根本選手の二塁打を口火に、苫選手のタイムリー、細沼選手の2点タイムリーなど打線がつながり一挙4点。6回にも長短打と相手失策を絡めて4点を追加して聖望学園を突き放した。投げては先発・増渕選手が5回無失点の好内容。6回からは田口選手がマウンドに上がり、7回を締めて7回コールドゲームを成立させた。聖望学園は5回の満塁機を逃したことが痛かった。また6回の反撃も北川選手のタイムリースリーベースによる1点のみで攻めきれなかった。
投手まとめ
【聖望学園】
鶴渕 翔大:先発3回2/3、4失点。無四球でテンポ良く投げ込んだが、4回に集中打を浴びて降板となった。
中村 紀翔:2回1/3で4失点。直球で押す場面もあったが、6回に叡明打線に捕まってしまった。
【叡明】
増渕 隼人:先発5回、被安打3・無失点・56球。5回の満塁のピンチでも強気にストライクを取り切り、試合を作った。
田口 遼平:2回を投げ1失点・37球。6回の先頭四球からスリーベースを打たれ失点したものの、その後は要所を締め、7回を三者凡退で締めた。
主な活躍選手
【聖望学園】
北川 新大(2番・遊撃):左中間適時三塁打で唯一の得点を叩き出す。守備でも堅実な動きを見せた。
毛利 祐斗(4番・三塁)/花崎 力斗(5番・二塁):5回の連打で反撃の糸口を作った。
【叡明】
細沼 慶聡(8番・二塁):4回に中前へ2点タイムリーを放った。試合の流れを変えた。
笘 大悟(5番・右翼):右適時打&左中間適時二塁打で2安打2打点。勝負強さを発揮した。
増渕 隼人(9番・投手):5回無失点の安定感。球数56と省エネ投球だった。
試合展開
序盤3回までは両投手が打者1巡をパーフェクトに抑えゼロ行進。聖望学園・鶴渕選手、叡明・増渕選手ともに内外角を丁寧に突き、凡打の山を築いた。
試合が動いたのは4回裏。叡明は根本選手がレフト線へのツーベースで出塁すると、続く青木選手が投前へ絶妙なバントヒットで無死一、三塁のチャンスを作る。3番田口選手の二ゴロの間にまず1点を先制し、赤城翔のライト線へのヒットでチャンスを継続。続く笘選手がライト前へタイムリー、髙野選手もライト前へ運び満塁とし、最後は8番・細沼選手がセンター前へ2点適時打。膠着していたゲームが動き叡明が一気に4点を奪った。
聖望学園は5回表、毛利選手・花崎選手の連打と森合選手の四球で一死満塁のチャンスを作るも、叡明・先発の増渕選手が粘りの投球で、後続を三振・内野フライに仕留めて無得点に終わり、最大の好機を逃した。
6回表、叡明は継投に入り田口選手がマウンドへ。反撃したい聖望学園は近藤選手が四球を選び、続く北川選手が左中間へタイムリースリーベースを放ち1点を返すも、後続が続けず、5回に続きチャンスをものに出来なかった。
直後の6回裏、叡明は赤城選手の左二塁打、笘選手の左中間適時二塁打で即座に突き放すと、失策や死球で得たチャンスをものにし、この回計4点を奪って8-1とした。
7回表、田口が代打を含む打者3人をわずか11球で打ち取り、7点差コールドゲーム成立。叡明が8-1で勝利した。
⚾️試合のポイント⚾️
⚾️4回裏、叡明・細沼選手の2点タイムリーで一気に主導権を握った。打順に関係なくつなぐ意識が徹底されていた。
⚾️5回表・聖望学園は満塁のチャンスを生かせず、無得点に終わった。叡明・増渕選手の粘投が光った。
⚾️聖望学園が1点を返した直後に叡明が4点を取り返した。叡明が試合の流れを渡さず巧者ぶりを示した。
⚾️5回一死満塁、6回一死三塁で聖望学園は得点を積み上げられず。“あと一本”欠き決定力の差で叡明に軍配が上がった。
【聖望学園】 序盤は互角も好機での決定打欠き、悔しい敗戦
序盤は互角に渡り合い、5回には満塁の好機を作るなど反撃の兆しも見せた。しかし、決定打が出ず、直後の6回に再び大量失点を喫してしまった。北川選手の意地のタイムリースリーベースを見せたが、4回の4失点を取り返すには至らず。
【叡明】 増渕5回無失点、集中打で8得点コールド勝利
増渕選手の5回無失点で土台を作り、攻撃陣は4回・6回に集中打で計8点。2番・青木選手、5番・笘選手、8番・細沼選手ら、クリーンアップ以外の打者が勝負所で結果を残したことは、トーナメントを勝ち上がる上で大きな収穫となった。最後は田口選手がきっちり締め、コールド成立となった。
【まとめ】「チャンス・ピンチでの勝ち切る力」が明暗分ける
両軍とも先発が試合を大きく崩さない中、「ビッグイニングを作れたか/防げたか」が勝敗を分けた。叡明は走者を進める意識(バント、進塁打)と、甘く入った球を逃さない意識が噛み合った。聖望学園は好機での一本と守備のミスが重なり、スコア以上に“流れ”の差を痛感する内容となった。特にトーナメントの一発勝負ではいかにビッグイニングを与えないゲームマネジメントが命運を分けた。