大会4日目 駿台甲府VS佐野日大

日付:2025/10/21(火)
試合会場:山日YBS球場
秋季関東大会準々決勝、佐野日大(栃木)は駿台甲府(山梨)を相手に序盤から主導権を握り、7対0の8回コールドで快勝した。先発の鈴木有選手が被安打6・無失点の快投を見せ、勝利に貢献。攻撃陣も須田選手ら主軸を中心に序盤から連打を重ね、試合を完全に支配した。
◾️投手まとめ◾️
【駿台甲府】
先発・河﨑大典:4回、球数71球、失点4。
序盤から佐野日大打線に捕まり4失点を喫した。テンポは悪くなかったが、要所で高めに浮いた。
2番手・安田伊吹:1回、19球、1失点。
失策が絡む形での失点を喫したが、打たせて取る投球で粘りを見せた。
3番手・萩原璃空:2回、44球、1失点。
走者を背負いながらも直球で押し、最少失点にまとめた。
4番手・小林京生:2/3回、10球、1失点(コールド成立)。
強打線の圧力に押されたが、経験を積む登板となった。
【佐野日大】
先発・鈴木有:8回、104球、被安打5、四球2、無失点。
ストレートと変化球の緩急を巧みに使い、危なげない内容で完封。フィールディングでも光った。
◾️主な活躍選手◾️
【駿台甲府】
深澤慶太(4番・遊撃手):2安打と気を吐き、打線の中で存在感を示した。好守でもチームを鼓舞した。
草野大哉(1番・三塁手):初回の先頭打者安打で流れを作るも、後続が続かず。積極的な打撃が光った。
【佐野日大】
須田凌央(4番・捕手):初回に先制適時打を放ち、2回にも右前適時打で追加点、8回にはレフトへのツーベースを放った。
杉田侑也(1番・左翼手):2安打を放ち、攻撃の起点として機能。守備でも安定感を見せた。
鈴木有(投手):投打で活躍。8回完封に加え、自らも安打を放ち勝利を引き寄せた。
試合展開
試合は初回から動いた。
佐野日大は1回裏、先頭の杉田選手が内野安打で出塁。続く櫻岡選手の犠打で得点圏に走者を進めると、3番小林選手のライトへ放った打球が失策を誘い、一死二・三塁とチャンスを広げた。ここで4番須田選手が中前に弾き返し、先制点を挙げた。さらに中村選手の四球で満塁とし、駿台甲府の守備を揺さぶったが、後続が倒れこの回は1点止まり。それでも序盤からリズムをつかんだ。
続く2回裏、佐野日大打線が一気に火を吹いた。
9番鈴木選手の右安打、杉田選手の右中間二塁打で1死二・三塁とすると、櫻岡選手が三遊間を破る適時内野安打で2点目。さらに小林選手の中前安打で満塁とし、須田選手が右前へ弾き返して3点目。高橋丞選手の左犠飛で4点目を奪い、駿台甲府先発・河﨑選手を攻略した。序盤で4点差がついたことで、試合の流れは完全に佐野日大へ傾いた。
一方の駿台甲府は、再三得点圏に走者を進めながらあと一本が出なかった。
2回表の深澤選手の内野安打からの盗塁、3回表の建石選手の出塁などチャンスをつくるも、鈴木有選手の落ち着いた投球の前に封じられた。中盤以降は打線が淡白になり、3者凡退のイニングが続く。
佐野日大は5回にも追加点。
先頭の中村選手が四球で出塁し、小島颯人選手が送りバント。投手の牽制悪送球で三塁まで進むと、吉澤悠選手の打球を二塁手がファンブルし、これがタイムリーエラーとなって5点目が入った。
その後も攻撃の手を緩めず、6回に小島選手の左前適時打で6点目を追加。終盤には8回裏、須田選手の二塁打を皮切りに満塁の好機を作り、押し出しの間に7点目。8回7点差のコールドゲームが成立した。
駿台甲府は最後まで粘りを見せたが、佐野日大の堅守と継投に阻まれ、無得点で試合終了。攻守にわたって完成度の差を見せつけられる結果となった。
⚾️試合のポイント⚾️
⚾️ 序盤2イニングで4点を奪い主導権を佐野日大が握った
⚾️ 鈴木有選手が8回完封、投打に躍動
⚾️ 駿台甲府は好機を生かせず無得点
⚾️ 佐野日大は上位打線の出塁率の高さが勝利に直結した
駿台甲府・攻撃のつながり欠き、完封負け
駿台甲府は序盤に先頭打者が出塁する場面が多かったが、送りバントや進塁打の後に中軸が抑えられ、好機をものにできなかった。河﨑大典選手はテンポの良い投球を見せたものの、甘く入った球を痛打され失点を重ねた。守備でもわずかなミスが失点に直結。試合を通じて得点圏で1本が出なかったことが完封負けの要因となってしまった。
佐野日大・投打に主導権を握る完勝劇
佐野日大は攻撃陣が序盤から積極的に仕掛け、1回・2回の集中打で一気に主導権を奪った。須田選手の4打点、杉田侑也選手の3安打が光り、打線全体のバランスが際立った。鈴木選手は8回を投げ切って無失点。フィールディングも冴え、投打に安定感を示した。失策の少ない堅守も見逃せない要素であり、チームとして完成度の高さを印象づけた。
【まとめ】完成度の高さが際立つ佐野日大
佐野日大は、打線のつながり、走塁意識、守備の安定感と三拍子そろった内容で勝利を収めた。特に須田選手、杉田選手、櫻岡選手の上位打線が役割を明確に果たし、チャンスを確実に得点へ結びつけた点が大きい。投手陣では鈴木有選手が自らのバットでも存在感を発揮し、エースとしての貫禄を見せた。一方、駿台甲府は失点後の立て直しに苦しんだが、個々の守備範囲や積極走塁には光るものがあった。関東の強豪相手に得た経験を糧に、今後の飛躍が期待される。


