中央学院、粘るもあと一歩及ばず。佐野日大が終盤に勝ち越し接戦制す【2025:令和7年度秋季関東高校野球大会(秋大)】

目次

大会2日目 中央学院VS佐野日大

日付:2025年10月19日(日)
試合会場:富士北麓公園野球場

2025年秋季関東地区大会・1回戦、中央学院(千葉)と佐野日大(栃木)の一戦は、終盤までもつれる熱戦となった。序盤に主導権を握った中央学院だったが、佐野日大が4回と8回に集中打で逆転。最終スコア8―7で佐野日大が競り勝ち、2回戦進出を果たした。試合時間は2時間20分、1点を巡る攻防が続いた好ゲームだった。

◾️投手まとめ◾️

【中央学院】

先発・池田 拓斗:2回1/3、37球、1失点。立ち上がりは無難な投球を披露するも、3回に三塁打を浴びて降板。テンポは良かったが、ややボールが高めに浮いてしまった。
神永 彪真:1回1/3、39球、4失点。継投直後に連打と押し出しで失点。リリーフとして試合の流れを止めきれなかった。
上島 諒大:0回1/3、16球、無失点。コントロールに苦しみ、押し出しを与えるなどリズムを作れなかった。
上野 潤也:2回1/3、35球、2失点。中盤以降の粘投で試合を立て直すが、6回に逆転打を浴びてしまった。
岩元 陸稀:1回、17球、無失点。イニングまたぎで登板するも、8回に死球を与え降板。
佐藤 馨太:1回、9球、1失点。終盤の緊迫した場面で登板するも犠牲フライで勝ち越しを許してしまった。

【佐野日大】

先発・鈴木 有:完投(9回106球)、7失点。被安打11と多めながら、粘りの投球を披露した。序盤に2点を失うも、要所で打たせて取る投球でゲームを作り、最後までマウンドを守り抜いた。

◾️主な活躍選手◾️

【中央学院】

相馬 幸大(6番・捕手):2回に左越えソロ本塁打。チームに勢いをもたらす貴重な一発を放った。
石井 諒佑(1番・右翼手):初回の安打に始まりこの試合4安打を放つ活躍。7回には同点打。リードオフマンとして攻撃の起点を担った。

【佐野日大】

中村 盛汰(6番・三塁手):4安打を放ち、全打席出塁の活躍。4回の適時打、6回の中安打、8回の四球と好機を演出。粘り強い打撃が光った。

鈴木 有(9番・投手):投げては粘りの完投勝利。打席では3打席連続で四球を選びチャンクメイク。攻守において存在感を発揮した。

試合展開

試合は序盤から動いた。初回、中央学院は1番・石井選手の二塁打からチャンスを作り、3番・池田選手が左前適時打。あっという間に1点を先制した。続く2回には、6番・相馬選手が力強いスイングで左越えソロ本塁打。序盤で2点をリードし、試合の主導権を握る展開となった。

一方の佐野日大は2回裏に無死一、二塁の好機を作るも、牽制死などで得点ならず。しかし3回裏、中央学院先発・池田選手を捉える。2番・櫻岡選手の三塁打を皮切りに、3番・小林選手の左前適時打で1点を返す。さらに須田選手の安打から併殺崩れの間にもう1点を挙げ、同点に追いついた。

その後、試合の流れを掴んだのは佐野日大だった。4回、四球と死球で満塁とすると、5番・高橋選手が押し出し四球を選び勝ち越し。続く中村選手の中前打、7番・小島颯人選手の押し出しで3点を加え、スコアを5-2とした。

しかし、簡単には引き下がらないのが中央学院。6回表、失策を絡めて無死満塁とし、4番・菊池選手が左前に2点タイムリーを放つ。続く相馬幸大選手の犠牲フライでさらに1点を返し、6-5と逆転に成功。主砲の一打がチームを再び勢いづけた。

その裏、佐野日大は再び粘りを見せる。2死一、二塁から8番・吉澤選手が左越え二塁打を放ち、再び逆転。6回の攻防で一気に試合が熱を帯びた。吉澤選手の勝負強さが際立つ場面だった。

7回には中央学院が代打・福岡選手の安打からチャンスを広げ、1番・石井選手が同点適時打を放ち、試合は7-7の振り出しに。両チームの応援が一段と熱を帯び、会場は完全なシーソーゲームの様相を呈した。

試合を決めたのは8回裏、佐野日大の攻撃だった。無死一、二塁から投手交代直後の捕逸でチャンスを拡大。再び打席に立った8番・吉澤選手が右翼へ犠牲フライを放ち、三塁走者が生還。これが決勝点となった。中央学院は9回も二死から石井選手の二塁打で一打同点の場面を作るが、2番・佐野選手の一ゴロで万事休す。7-8でゲームセットとなった。

※チャンネル野球好き様より引用

【中央学院】攻撃の形を示すも、あと一本届かず

序盤から打線がつながり、持ち味である機動力と積極的な打撃が機能した。5回には一時逆転に成功し、チーム全体の勢いを感じさせたが、終盤の守備と制球面の乱れが痛かった。それでも若いチームながら攻守にまとまりを見せ、勝負強さの片鱗を感じさせた内容だった。打撃力には確かな手応えがあり、課題である終盤の粘りを克服すれば、来春以降の飛躍が期待できる。

中央学院は敗れたものの、打線の粘りや代打策など攻撃面では高い完成度を示した。次につながる内容の試合であり、冬を経て再び関東の舞台に戻ってくることが期待される。

【佐野日大】粘りと対応力でつかんだ価値ある勝利

中盤の逆転を許しながらも慌てず、自分たちの野球を貫いた点が印象的だった。鈴木有の粘投と、終盤に見せた打線の対応力が勝負を分けた。特に終盤の集中力は圧巻で、チーム全体が「つなぐ」意識を徹底した結果が得点につながった。守備面でも小さなミスを最小限に抑え、接戦を制する底力を発揮。県大会を勝ち抜いた経験が生きた、価値ある一勝だった。

【まとめ】激戦を制した佐野日大、粘り強さが光った一戦

乱打戦の末、佐野日大が8―7で中央学院を下した。中盤に一時逆転を許すも、終盤に集中打で再び主導権を奪い返す粘りを見せた。打線は一人ひとりが状況に応じた打撃を徹底し、勝負どころでの勝負強さが光った。鈴木有の完投も大きく、苦しい展開の中でリズムを取り戻した精神面の強さが勝因となった。一方の中央学院も序盤から積極的に攻め続け、終盤まで食い下がる粘りを見せた。両チームが力を出し切った、秋季大会屈指の好ゲームだった。

シェアのご協力お願いします♪
  • URLをコピーしました!
目次