習志野高校とは
「美爆音」で高校野球ファンを魅了する習志野高校。千葉県の強豪として知られるこの学校は、野球だけでなく、教育面でも様々な特色を持っている。今回は、習志野高校がどのような学校で、どのような教育に力を入れているのか、そして硬式野球部の輝かしい歴史と強さの秘密について深掘りしていく。

習志野市立習志野高等学校は、千葉県習志野市に位置する公立の共学校。1957年創立当時、初代市長の白鳥義三郎氏は期待を込めて「習志野の王冠たれ」と述べたと伝えられている。ゼロからスタートした当初は多くの苦労があり、そこから逆境の中を生き延びる「雑草のごとく逞しく」という「習高精神」が生まれた。
特色
✅ 両学科制:全日制の普通科と商業科を設置し、多様な進路に対応。定時制は2014年に閉課となった。
✅ 全日3学期制・地域性:3学期制を採用し、安定した学習サイクルを実現。市立として習志野地域に根ざした教育を展開。
✅ 多彩な部活動:野球、サッカー、ボクシング、吹奏楽など全国レベルの部が複数存在し、文武両道を推進。
✅ 施設充実:普通・特別教室棟、2つの体育館、多目的棟(音楽ホール・食堂など)、テニスコート3面、弓道場、第一・第二グラウンド(野球部専用)など多様な環境を完備。
沿革
1956年:設立許可
1957年:第1回入学式挙行
1975年:津田沼から東習志野に移転。普通教室・特別教室棟、第一体育館・運動場完成。学校群制度実施。船橋、船橋東、薬園台、市立船橋、八千代の各校と共に第2学校群に編成。
1976年:第二体育館および第一体育館付属設備完成
1978年:再び単独選抜となる。
1979年:管理棟完成
1980年:校地拡張(約800平方メートル)
1989年:多目的棟完成
1995年:校地拡張(約1000平方メートル)
1997年:第二運動場(野球場)が「習志野市東習志野7-6-3」に完成・移転
2001年:セミナーハウス「習友館」完成
2011年:同年度より定時制課程募集停止
2014年:3月末日をもって定時制課程を閉課

「習高サウンド」の誕生秘話
習志野高校の代名詞ともいえる「習高サウンド」。そのルーツは、野球部と吹奏楽部の絆にある。全国屈指のレベルを誇る吹奏楽部が、野球部の応援のために独自のアレンジを加えた楽曲や、迫力満点の応援スタイルを確立した。特に、ブラスバンドの音色と生徒たちの声援が一体となった「美爆音」は、相手チームに大きなプレッシャーを与えるだけでなく、球場全体を習志野高校のホームグラウンドに変えてしまうほどの圧倒的な存在感を放つ。この「習高サウンド」は、単なる応援歌の演奏にとどまらず、野球部と吹奏楽部、そして学校全体が一体となって勝利を目指す習志野高校の象徴ともいえる。
習志野高校の魅力
吹奏楽部の全国レベルの活躍: 野球応援で全国的に有名な吹奏楽部も、単独で全国大会の常連であり、数々の賞を受賞している。その高い演奏技術は、多くの人を魅了している。野球応援と吹奏楽部が一体となって作り出す「美爆音」は、高校野球の応援文化に新たな風を吹き込んだと言えるだろう。
部活動の活発さ: 野球部、吹奏楽部以外にも、サッカー部、陸上競技部、バレーボール部など、多くの部活動が活発に活動しており、全国大会や関東大会に出場する部も多い。文武両道の精神が根付いている証拠だ。
地域との連携: 地域に根ざした学校として、地域のイベントへの参加やボランティア活動にも積極的に取り組んでいる。生徒たちは地域社会の一員としての自覚を持ち、貢献することの喜びを学んでいる。
習志野高校硬式野球部
習志野高校硬式野球部は、その「美爆音」の応援と共に、全国にその名を轟かせている。多くのプロ野球選手を輩出し、常に千葉県を代表する強豪として君臨している。
創部: 1957年(学校開校と同時)
部訓:悔いのない一日を!
⭐️戦績
習志野高校硬式野球部は、春のセンバツ、夏の甲子園ともに輝かしい戦績を誇る。
初出場:昭和37年(1962年)夏
🏆優勝
昭和42年(1967年)夏
昭和50年(1975年)夏
👑準優勝
平成31年(2019年)春
この他にも、千葉県大会では幾度も優勝を経験しており、常に優勝候補の一角として注目されている。
練習環境
野球部専用グラウンドは市内に2面、室内練習場も完備。平日は校庭・室内を活用し、休日には練習試合・遠征を実施。設備面・環境面ともに県内屈指の充実度 。
専用野球場: 両翼95m、センター120mの広々とした専用グラウンドを有し、内野は土、外野は天然芝で整備されている。ブルペンも複数完備しており、投手陣はいつでも投球練習ができる環境だ。
室内練習場: 雨天時でも練習が可能な室内練習場を完備。バッティングゲージやピッチングスペース、トレーニング機器なども充実しており、天候に左右されずに質の高い練習を行うことができる。
進路実績
習志野高校野球部は、プロ野球選手を数多く輩出していることでも有名だ。主なOBには、以下の選手たちがいる。
掛布雅之(元阪神タイガース)
福浦和也(元千葉ロッテマリーンズ)
小川淳司(元東京ヤクルトスワローズ、現ゼネラルマネージャー)
池田来翔(千葉ロッテマリーンズ)
これらの選手以外にも、多くのOBが社会人野球や大学野球で活躍している。また、野球以外の分野でも、学業との両立を掲げているため、一般大学に進学する生徒も多い。プロ野球選手を目指すだけでなく、野球を通じて培った人間力や学業への意識を活かし、多様な進路選択を可能にしている。
まとめ
市立習志野高校は、公立でありながら全国有数の硬式野球名門校で、「文武両道」「地域との絆」「個性尊重」を教育の柱としている。同校は、甲子園で「雑草の如く逞しく」を合言葉に活躍するだけでなく、生徒の可能性を最大限に引き出す教育環境と地域に愛される学校としての魅力も兼ね備えている。今後もその多様な魅力で、多くの人々を惹きつけ続けるだろう。