決勝 花咲徳栄VS浦和学院

日付:2025年10月5日(日)
試合会場:県営大宮公園球場
2025年秋季埼玉県大会決勝は、花咲徳栄が3対2で浦和学院を下し、3年ぶりの秋季県大会優勝を果たした。両校は序盤から拮抗した展開を繰り広げ、互いに継投策を駆使。試合を決定づけたのは5回、花咲徳栄の機動力と集中打だった。浦和学院は終盤に1点差まで迫るも、1年生投手・古賀夏音樹の粘り強い投球の前にあと一歩及ばなかった。
◾️投手まとめ◾️
【花咲徳栄】
石田 凛作:先発3回33球、1失点。テンポの良い投球で浦学打線を封じ試合を作った。
古賀 夏音樹:6回、94球、1失点。4回から登板し、6回を1失点で完投リレーを締めた。緩急を駆使し、粘る浦和学院の反撃を最小限に抑えた。
【浦和学院】
伊藤 漣:先発2回、37球、無失点。立ち上がりから制球力を発揮し、ピンチを凌いだ。
佐々木 漣也:2回2/3、46球、3失点。5回に四球やエラー、花咲徳栄の機動力が絡み3失点を喫してしまった。その他は落ち着いた内容であった。
日高 創太:2回1/3、30球、無失点。5回途中から登板し粘りのピッチングを見せた。
西村 虎龍:2回、38球、無失点。8回から登板。8回、9回と先頭バッターの出塁を許すも要所を抑え無失点で切り抜けた。打っても二塁打を放つなど存在感を見せた。
◾️主な活躍選手◾️
【花咲徳栄】
奥野 敬太(5番・二塁手):5回に右前適時打を放ち、勝ち越し点を奪取。攻守でチームを鼓舞した。
本田 新志(6番・一塁手):奥野選手に続き5回に右前適時打を放ち、貴重な追加点。勝負強さが光った。
古賀 夏音樹(8番・投手):途中リリーフで登板するも強力浦和学院打線を最小失点に抑えこみ、優勝の立役者となった。
【浦和学院】
鈴木 謙心(1番・左翼手→中堅手):3回に先制の中前適時打。主将としてリーダーシップを発揮した。
伊藤 漣(8番・投手→遊撃):7回に左前適時打を放ち反撃の狼煙をあげた。投打に奮闘した。
西村 虎龍(5番・右翼→投手):7回に右中間への二塁打で反撃の足がかりをつくる。また投手としても無失点に抑えた。
試合展開
決勝戦の緊張感が漂う中、先攻・花咲徳栄は1回から盗塁とバントで揺さぶるが、浦和学院先発・伊藤投手の粘投に阻まれ無得点。浦和学院も石田選手の前に3者凡退に終わり、序盤は互いに譲らぬ立ち上がりを見せた。
3回、浦和学院は伊藤選手の中安打から鈴木選手の中前打で先制(1-0)。均衡を破るも、その裏、花咲徳栄は継投で流れを変えにかかる。
すると5回、2死、一・三塁から相手エラーで同点に追いつくと、続く奥野選手の右前適時打で逆転。さらに本田選手が右前打を放ち、3対1と突き放した。5回の攻撃の中で見事に機動力と勝負強さを発揮した。
浦和学院は7回、4回から登板している古賀選手から連打でチャンスを作り、1死一三塁から伊藤選手のレフトへのタイムリーで1点を返し(3-2)。なおも1死一二塁と攻め立てたが、代打露崎選手が三振、続く鈴木選手が右飛に倒れ、あと一本が出なかった。
終盤は古賀が圧巻。最終回もノビのある直球で押し切り、2死から走者を出しながらも後続を断った。浦和学院の追撃をかわし、花咲徳栄が逃げ切った。

⚾️試合のポイント⚾️
⚾️ 5回表の一挙3点が勝負を分けた。花咲徳栄の積極走塁と集中打が光った。
⚾️ 浦和学院は7回のチャンスであと一本が出ず、決定力不足が響いた。
⚾️ 1年生左腕・古賀選手が4回以降を94球で1失点にまとめ、精神的支柱としての成長を見せた。
⚾️ 両校ともに継投策が冴え、秋の段階で完成度の高さを感じさせた。
花咲徳栄 攻守かみ合い、2年ぶりの秋制覇
序盤は走者を出しながらも決定打を欠いたが、5回に見せた攻撃の集中力は見事だった。奥野選手・本田選手の適時打はいずれも逆らわないシャープな打撃で、チームとしての完成度を示した。
また、石田選手、古賀選手と続いた継投も的確。古賀選手は終盤にピンチを背負いながらも堂々たる投球で試合を締め、1年生投手陣の充実を印象づけた。
2年ぶりの秋優勝を果たしたチームは、関東大会でも上位進出が期待される。
浦和学院 悔しさを糧に、新たな発進
序盤は伊藤選手がテンポよく無失点で切り抜け、打線も3回に鈴木選手の適時打で先制と理想的な流れを作った。しかし、中盤の守備の乱れとバッテリーミスが悔やまれる展開に。
西村選手・伊藤選手ら中心選手が意地の反撃を見せたが、あと一本が出なかった。とはいえ、若いチームだけに経験を積んだことは大きい。来春以降の再戦での巻き返しが期待される。
【まとめ】埼玉の2強が示した完成度
両校ともに投手力・守備力ともに高い完成度を見せた決勝戦だった。浦和学院が序盤にリードを奪えば、花咲徳栄は中盤で一気に逆転。互いの個性がぶつかり合った好ゲームだった。
特に花咲徳栄は、短いイニングで主導権を握る采配と選手の対応力が光り、関東大会への自信を深める内容。浦和学院も敗れはしたが、試合全体を通じて次世代の主力候補たちが確かな存在感を示した。
11月18日から開幕する関東大会で春の選抜出場を狙う両チームから目が離せない。