山梨県甲府市に位置する私立中高一貫校、山梨学院高校（山梨学院中学高等学校）。1956年に短期大学附属高校として創立されて以来、国際バカロレア（IB）認定のインターナショナル教育や強力な進学指導に力を入れている。硬式野球部も全国大会で輝かしい実績を積み重ねており、本記事では学校の特色、そして野球部の活動に迫る。
山梨学院高等学校とは
山梨学院高校は、生徒一人ひとりの豊かな人間性と確かな学力を育むことを目指している。「自立」「思考」「表現」「共生」という4つの教育目標を掲げ、激しく変化する現代社会で活躍できる人材の育成に力を注いでいる。
特色
山梨学院高校は、生徒の多様な学びのニーズに応えるため、多角的な教育を展開している。
✅中高一貫＋IB教育: 1956年の短期大学附属高校開校以来、1995年に中学校を併設し、完全な中高一貫校となった。さらに2016年には現在の「山梨学院中学高等学校」に改称し、国際バカロレア（IB）認定校として、グローバル教育を重視しているのが大きな特徴だ。
✅進学推進体制と充実施設: 普通科を中心に、特進や国公立大学進学を目指す生徒への強力な進学支援体制を構築している。また、系列大学に隣接しているため、留学生の受け入れや大学の授業見学など、多彩な教育環境が整備されている。
✅単位制とセメスター制: 多くの科目の中から自身の興味や進路に合わせた科目を自由に選択できる単位制を導入。また、1年を2学期に分けるセメスター制により、半年での単位取得や留学時の単位互換がスムーズに行える。
✅国際標準の教育: IB（国際バカロレア）系では、国際的なカリキュラムを通じて、海外のトップ大学で通用する課題発見・解決能力、論理的思考力、表現力、そして国際的なコミュニケーション能力を育成する。これらの効果的な学習方法は他の系列の教育にも取り入れられている。英語教育においては、独自の「I4Uメソッド」で4技能（読む・聞く・話す・書く）を効率的に習得させ、国際交流も積極的に推進している。
✅高大連携教育: 山梨学院大学・短期大学と連携し、早い段階から大学の授業を受講できる機会を提供している。これにより、生徒は多様な専門分野への興味関心を深め、将来の進路選択に役立てることができる。
コース制の進路デザイン
✅特進コース: 難関大学進学を目指す生徒向けのハイレベルな学習を提供する。特に英語力の育成に力を入れ、海外留学や海外大学進学へのサポートも充実している。
✅進学コース: 高い専門能力の育成を目指し、学習と部活動の両立を重視する。多くの生徒が山梨学院大学・短期大学へ進学し、充実した選択授業で専門分野への理解を深める。
✅活発な部活動と充実した施設: 文武両道を重んじ、30以上の多彩な部活動が盛んに行われている。特に野球部やサッカー部、テニス部など多くの運動部が全国大会で活躍しており、全校応援も大きな盛り上がりを見せる。ハイスクールスポーツセンターなど、トップアスリートを目指せる充実した施設も魅力だ。また、茶道部や書道部、将棋部などの文化部も活発に活動しており、生徒たちは学業以外でも個性を伸ばし、それぞれの「好き」や「得意」を活かして活躍している。
山梨学院高等学校は、未来を切り拓くたくましい人材の育成を目指し、生徒一人ひとりの夢の実現を力強くサポートしている。
沿革
1956年: 山梨学院短期大学附属高等学校として創立。
1962年: 山梨学院大学附属高校へ改称。
1995年: 中学校を併設し、完全な中高一貫校となる。
2016年: 学校名を現在の「山梨学院中学高等学校」に変更。
山梨学院高校硬式野球部：甲子園常連校としての誇り
山梨学院高校硬式野球部は、1957年に創部。
現在の部員は、選手70名とマネージャー2名の計72名。吉田洸二監督の指導のもと、「野球を通じて人への配慮ができる社会性を育てながら甲子園優勝を目標に日々精進」している。
⭐️戦績
⚾️春の甲子園（選抜大会）
出場回数：8回
初出場・初勝利：1994年春（初出場で初勝利）
ベスト8到達：1回（準々決勝進出）
優勝：1回（2023年・第95回選抜）
⚾️夏の甲子園（選手権大会）
出場回数：10回
通算成績：2勝10敗、勝率0.167
日本トップレベルの練習環境
山梨学院高校野球部の練習拠点は、山梨県甲府市砂田町に位置し、以下のような優れた施設を誇る。
人工芝グラウンド: 雨天時でも練習が可能な人工芝の専用グラウンドを完備。
広大な雨天練習場: 打撃練習やブルペンでの投球練習が十分にできる広さがあり、複数のブルペン（報道によると13箇所）が設置されている。これは高校野球のレベルを超えた充実ぶりと評価される。
専用選手寮: グラウンドに隣接して「砂田合宿所富士見寮」があり、選手はいつでもグラウンドを利用して練習に取り組める環境だ。寮内には洗濯機が各部屋に設置されているほか、酸素カプセルも完備されており、大会期間中には選手が疲労回復のために頻繁に利用している。
専門トレーナーによる指導: 専門のトレーナーが帯同し、怪我の予防や選手の身体能力を最大限に引き出すための指導を行う。特に股関節や肩甲骨周りをほぐす運動に時間をかけ、体の使い方を徹底的に指導している。
徹底された練習内容と戦術
吉田洸二監督の指導のもと、山梨学院高校野球部は「体力なくして連戦は勝てない」という考え方を基盤に、年間を通してハードなトレーニングを積んでいる。
1時間以上の入念なアップ: 毎日1時間以上かけて行うアップは、外野を広範囲に使ったランニングから始まり、肩甲骨や股関節をほぐす運動、そして室内練習場での体幹強化（腕立て伏せ90回、腹筋80回、背筋150回）など、多岐にわたる。
戦略的なウエイトトレーニング: 筋力トレーニングは曜日ごとに部位を分け、火・木曜日は上半身、水・金曜日は下半身を鍛える。オフシーズンには筋肉増量を目的としたよりハードなメニューをこなし、シーズン中には筋力維持に重点を置く。怪我をしている選手には加圧トレーニングも導入している。
投手の特別メニュー: 投手陣は特に腹筋を強化するメニューとして、7種類の腹筋運動をそれぞれ30回、これを3セット行っている。
実戦的な守備練習: 「マシンガンのようにボールが飛び交う」スピーディーなシートノックで、選手たちはグラウンドを縦横無尽に駆け回り、守備力を高める。
食事とリカバリー: トレーニング後30分以内にタンパク質とカルシウムを摂取することを徹底し、筋肉の回復と生成を促している。
まとめ：文武両道で全国を制した学び舎
山梨学院高校は、国際バカロレア（IB）認定校として国際的な教育と進学支援に力を入れる中高一貫の私立校であり、文武両道を掲げる教育環境が魅力。硬式野球部は1957年に創部され、2023年には春の甲子園で初優勝を果たした。環境としては、専用寮や人工芝グラウンド、専門トレーナーを備えた全国屈指の練習環境と徹底したトレーニングを通じて、選手育成と全国制覇を目指している。山梨学院高校は、徹底した教育理念のもと、グローバル社会で通用する人材を育成しながら、部活動においても全国トップレベルを目指す「文武両道」を体現する学校である。
