1回戦 結果は浦和実3ー0滋賀学園

投手まとめ
【浦和実業】
石戸颯汰:9回115球、完封勝利。攻撃面では自ら四球、送りバントと貢献。ピッチングでは 打たせて取るピッチングを徹底し、スライダーと直球の緩急で滋賀学園打線を封じた。
【滋賀学園】
長崎 蓮汰:6回1/3、99球 失点3。 5回までは粘投したが、四球から崩れ3失点。やや球が高めに浮き、甘く入った。
土田 悠貴:2回2/3、33球、無失点。 7回途中から好救援。ピンチを招くも粘りの無失点で味方の反撃に望みをつないだ。
主な活躍選手
【浦和実業】
佐々木 悠里:3安打猛打賞、5回にセンター前にヒットを放ちで先制点。
三島 陽之介:5回に2点適時二塁打で追加点。
【滋賀学園】
吉森 爽心:2安打を放ちチャンスメーク。
小野 心太朗:7回にバントでチャンスメーク。9回にも安打を放つ。

1回戦 試合展開まとめ
試合開始から石戸は落ち着いていた。
初回、滋賀学園の上位打線をわずか10球で三者凡退に抑えると、そのまま試合の主導権を掌握。2回以降もテンポよく打者を打ち取る投球を続け、守備にも好リズムを生んだ。
この日の石戸は、9回を投げて被安打6、与四死球わずか1、奪三振4。球数は115球と、完投としては理想的な省エネ投球を実現した。
「打たせて取る」スタイルを貫き、足を高く上げる変則フォームで打者のタイミングを外し、ストライク先行の投球が光った。
守備陣の好守にも助けられたが、試合を通して投球の主導権を一度も手放さなかった石戸の存在が、この試合の勝敗を分けた最大の要因だったのは間違いない。
両チーム無得点で迎えた5回表、浦和実が試合の均衡を破る。
先頭の橋口が右前打で出塁し、深谷の送りバントでチャンス拡大。続く斎藤の右前打で二死一・三塁とすると、佐々木が高めの直球を捉えセンター前にヒットを放つ。浦和実がついに1点を先制した。さらに四球で満塁と攻め立て、4番・三島が高めの直球を左中間へ運ぶ2点タイムリーツーベースでこの回3点を奪取。試合を決定づけた。

⚾️試合総評
試合を支配したのは浦和実のエース・石戸颯汰(いしど・そうた)。右腕から繰り出される直球と緩急の効いた変化球を武器に、滋賀学園打線を9回6安打無失点に封じ込める圧巻の完封劇を披露した。
浦和実は「一瞬の集中力」で5回に流れを引き寄せた。
対する滋賀学園は終盤、7回に吉森・金城の連打で無死一・二塁、8回には一・三塁といずれも得点圏に走者を進めたが、石戸の粘投の前にあと一本が出なかった。
先発・長崎は6回途中まで投げ3失点と粘投を見せたが、打線が好機にあと一歩及ばなかった。
次戦に向けて…
この勝利で浦和実は勢いに乗る。
石戸の安定感と、5回の集中打で見せた勝負強さは、今後のトーナメント戦でも武器となるだろう。チームの屋台骨を担う右腕・石戸颯汰。彼の右腕が、この春の物語をどこまで導くか、注目が集まる。