準決勝 結果は浦和実0ー5智弁和歌山

投手まとめ
【浦和実業】
石戸 颯汰:8回 5失点(自責点3、球数:115)、三振2、四球5、被安打12。大量失点はせず粘り強く投げ切ったが、初回の2失点と3回の3失点が響いた。
【智弁和歌山】
渡辺 颯人:5回無失点 球数71球。奪三振4、四球1、被安打3と安定感抜群の投球を披露した
宮口 龍斗:4回無失点 60球。走者を背負いながらも落ち着いた投球で要所を締めた
主な活躍選手
【浦和実業】
深谷 知希:1安打1四球、1犠打。2出塁+7回に反撃のチャンスを作った
工藤 蓮:2安打を放つ。最終回先頭打者でセンター前ヒットを放った
【智弁和歌山】
藤田 一波:4安打の猛打賞+2犠打(バントヒット含む)。出塁率、機動力でチームに貢献
福元 聖矢:3安打1打点。チャンスでしっかりとタイムリーを放ち流れを引き寄せた
山下 晃平:ツーベース2本含む猛打賞でチャンスをつくった
準決勝 試合展開まとめ
1回裏、智弁和歌山は藤田一波の左二塁打、奥の死球でチャンスを作ると、福元聖矢の右前適時打で1点を先制。さらに荒井優聖にも適時打が飛び出し、この回2点を奪取し、リードを奪った。
智弁和歌山は3回裏にも攻勢をかける。先頭の山下晃平が右二塁打で出塁すると、福元の安打で無死一、三塁。荒井が犠飛で1点を加えた後、山田凜虎の二塁打で再びチャンスを作る。大谷の三ゴロで2死となるも、エラーで2点を追加。この回も3点を奪い、点差は5点に広がった。
一方の浦和実も中盤以降に反撃の糸口を探る。
7回には無死一、二塁のチャンスを作るが、あと一本が出ず無得点。8回には三島陽之介の左越え二塁打で2死二塁とするも、代走・田谷野を生かせず。9回も工藤蓮の中前打で出塁するが、代打・駒木根琉空が空振り三振に倒れ、最後まで得点は奪えなかった。
智弁和歌山は先発・渡辺颯人が5回まで無失点の好投。後を継いだ宮口龍斗も力強いピッチングで後続を断ち、6回から9回まで一人で投げ切る完璧な継投。浦和実は石戸颯汰が最後まで投げ抜いたが、打線の援護がなく悔しい敗戦となった。
⚾️その他ポイント
⚾️智弁和歌山の打線の厚みと対応力が勝因となった。上位から下位まで繋がり、送りバントなどの小技も使い試合を優位に進めた。
⚾️浦和実業は好機を活かせずあと1本が出なかった。
⚾️制球が良い石戸投手だが、智弁和歌山打線を前にコーナーを意識し四死球が増えてしまった。


総評:善戦光るも一歩及ばず ― 浦和実の健闘と夏への課題
浦和実にとって、智弁和歌山との一戦は全国レベルの強豪に対する真価が問われる試合だった。結果は0対5と完封負けを喫したものの、そのスコア以上に、内容には粘りと成長の跡が見られた。
試合は序盤に失点を重ねる苦しい展開だった。エース石戸颯汰は初回に2点を許し、3回にも失策絡みで追加点を献上。しかし、以降は落ち着いた投球でゲームを作り直し、9回115球を一人で投げ抜いた力投は称賛に値する。
攻撃面では毎回のように塁上を賑わせながらも、あと一本が出なかった。全国屈指の投手陣と対峙する中で、打線があと1歩、あと1点をどう取っていけるかが今後の飛躍の鍵となる。
この敗戦は悔しさと同時に、全国の舞台を経験したことにより見えた「足りなかったもの」を今後の成長につなげられるかどうか。浦和実にとって、この敗戦は“終わり”ではなく、夏への“始まり”となるはずだ。