高崎健康福祉大学高崎高等学校(健大高崎)は、「真の文武両道」を掲げ、生徒一人ひとりの目標達成をサポートする教育体制が特徴の私立共学校である。多角的なアプローチで生徒の成長を促している。

高崎健康福祉大学高崎高等学校とは
特色
多様なコース設定・・・全日制普通科の中に、生徒の目標に応じた4つのコースを設けている。
✅特進コース: 難関国公立大学や難関私立大学への進学を目指す。
✅大進コース: 国公立大学や中堅私立大学への進学を目指す。
✅進学コース: 中堅私立大学や系列の高崎健康福祉大学への進学を目指すコースで、基礎力の定着に重点を置き、部活動との両立も可能。
✅アスリートコース: スポーツ活動に力を入れながら、大学進学を目指す。
これらのコースは、生徒の学力や進路希望に合わせて選択できる。
充実した学習環境と個別対応の進学支援
✅KENDAI OASIS:生徒のための学習室が整備されており、静かな環境で集中して勉強できる。教員が常駐し、質問しやすい環境が整っている。
✅集中講座:夏・冬・春の長期休業中に無料で実施される集中講座で、学力アップを図れる。
✅多様な検定試験:英語検定、漢字検定、数学検定など、様々な検定試験にチャレンジする機会を提供し、生徒の能力向上をサポートしている。
✅高大連携事業:系列である高崎健康福祉大学との高大連携事業を通じて、在学中から大学の授業を体験できる。また、系列校ならではの入学金一部免除などの優遇制度もある。
校訓と教育目標
校訓 「感謝・奉仕・友愛」
教育目標: 健康で生命力旺盛な人材、堅実な人生観を持ち社会の主導者となりうる人材、自主的精神に富み品位あふれる人材の育成を目指している。
非認知能力の育成: 主体性、コミュニケーション能力、やりきる力などの非認知能力の育成にも力を入れている。
部活動の活性化: 「真の文武両道」を実践しており、特に野球部は全国的な強豪として知られる。
沿革
健大高崎高校は、その歴史の中で幾度かの変革を経て、現在の姿になった。
1968年: 群馬女子短期大学附属高等学校として設置される。
2001年: 高崎健康福祉大学の設置に併せて系列高校を男女共学化し、現在の「高崎健康福祉大学高崎高等学校」に改称された。
2002年以降: 青柳博文監督が野球部に就任し、部活動強化が本格的に始まった。この時期から野球部の快進撃が始まり、全国的な強豪校としての地位を確立していく。
進路
健大高崎高校は、生徒の多様な進路希望に対応できるよう、手厚いサポート体制を整えている。
国公立大学: 群馬大学、高崎経済大学、前橋工科大学、東京学芸大学など、複数の国公立大学への合格実績がある。
私立大学: 早稲田大学、上智大学、東京理科大学、中央大学、法政大学、日本大学、専修大学、東洋大学、立教大学、同志社大学など、全国の有名私立大学への進学実績も豊富だ。
系列大学への進学: 高崎健康福祉大学への内部進学の道も開かれており、専門分野への進学を希望する生徒には有利な選択肢となる。
専門学校・短期大学: 専門的な知識や技術を習得するため、専門学校や短期大学へ進学する生徒もいる。
就職: 進学だけでなく、就職を選択する生徒もいる。
甲子園からプロへ!健大高崎野球部が輩出する逸材と育成メソッド
健大高崎高校野球部は、青柳監督の就任と同時期にあたる2002年に本格的な強化が始まり、現在では全国屈指の強豪として知られている。
⭐️戦績
⚾️選抜大会(春・センバツ): 8回出場
第96回(2024年春):優勝(群馬県勢初の快挙)
第84回:ベスト4
第87回・第89回:ベスト8
第97回(直近):ベスト4
⚾️選手権大会(夏・甲子園): 4回出場
第93回:ベスト8
第96回:ベスト8
第97回:ベスト16
第106回(2024):出場
⚾️明治神宮大会: 1回出場
第50回大会で準優勝
練習環境
野球部は約107名の部員を擁し、専用グラウンドを拠点に活動している。青柳監督のもと、「機動破壊」「不如人和(団結力)」を部訓に掲げ、野球・基礎体力・メンタルを高水準で融合させた、まさにハイブリッドな強豪校スタイルを確立している。練習は平日だけでなく休日や長期休暇中も連日の強化メニューを実施し、室内・屋外両方で高密度の練磨環境を確保している。選手専用寮やジム設備も完備されており、生活面と練習環境が最適化されている。
特徴的な指導法
健大高崎の野球部は、その革新的な練習スタイルと指導法で注目を集めている。
青柳監督の指導哲学: 青柳監督は「団結力はすべてに勝る」「機動破壊」を合言葉に、高速・強打・走塁の野球を志向している。2002年から一貫して指導を続けており、チーム・戦略・育成の一貫性が高い成績に直結している。
「機動破壊」に代表される機動力野球
健大高崎の代名詞とも言えるのが「機動破壊」というプレースタイルだ。これは単に盗塁を多用するだけでなく、相手守備に常にプレッシャーをかけ、揺さぶりをかけることで得点に繋げる心理戦の側面も持ち合わせている。
積極的な走塁・盗塁: 盗塁だけでなく、塁間の積極的な走塁で相手を撹乱し、チャンスを広げる。
相手へのプレッシャー: リードの大きさや走塁の意識で相手投手にけん制を促すなど、守備陣の集中力を削ぐことを意図している。
定石破壊: 「機動力」と「長打力」を別物と捉えず、走力で甘い球を引き出し、それを確実に打ち返すという考え方も「機動破壊」の一部だ。
革新的な練習スタイル: 伝統的な高校野球のスタイルとは一線を画した、選手の自主性やコンディショニングを重視した取り組みが特徴。
効率的な練習時間: 全体練習は短めに設定され、翌朝の練習は行わないことで、選手の十分な睡眠時間を確保し、体調管理や集中力向上に繋げている。
自由なスマホ使用: 寮生活でのスマホ使用が基本的に自由とされており、個々の判断力と責任感を養うことを促している。
叱責しない指導: 練習中のミスに対して選手を叱責せず、同じ課題を繰り返すことで克服を促す指導スタイルが、選手の自発的な改善意識を高めている。
多人数スタッフとチーム編成: 監督を含め多数のスタッフがおり、選手を複数チームに分けて年間300試合以上の実戦経験を積ませるなど、豊富な実戦機会を提供している。
強固な卒業生の進路サポート: 近年は、チームの強さだけでなく、卒業生の進路にも注目が集まっている。
プロスポーツ選手・社会人野球
野球部OB: 健大高崎野球部からは、毎年多くのプロ野球選手が誕生している。NPBで活躍する選手も多数おり、その育成力が高く評価されている。
社会人野球: プロに進まない選手も、社会人野球の強豪チームへ進み、野球を続けるケースが多く見られる。
大学野球: 強豪大学の野球部へ進学し、そこで活躍する選手も多数いる(例:駒澤大学、明治大学、立教大学、法政大学など)。中には一般入試で難関大学に進学し、大学で野球を継続する選手もいる。
長坂 拳弥(ながさか けんや)- 捕手(阪神タイガース)
柘植 世那(つげ せな)- 捕手(埼玉西武ライオンズ)
湯浅 大(ゆあさ だい)- 内野手(読売ジャイアンツ)
下 慎之介(しも しんのすけ)- 投手(元東京ヤクルトスワローズなど)
清水 叶人(しみず かなと)- 捕手(広島東洋カープ)
是澤 涼輔(これさわ りょうすけ)- 捕手(埼玉西武ライオンズ)
田中 陽翔(たなか はると)- 内野手(東京ヤクルトスワローズ)
過去には、脇本直人選手(元千葉ロッテマリーンズ)などもプロの世界でプレーしていた。健大高崎は、毎年多くの選手をプロ野球界に送り出しており、その育成力が高く評価されている。
まとめ
健大高崎高校は、学習支援とアスリート育成を両立させる教育体制、高大連携・ICT活用による進学支援、そして青柳監督の強力な指導体制という三本柱で進化を続けている。硬式野球部は選抜・選手権・明治神宮大会での安定した全国実績と、プロ野球選手の輩出によってその存在感を示している。